来た時よりも美しく。

遠足のときによく先生に言われたこの言葉。

入居したときよりも美しく、となりつつあるこのアパート。何をここまで丁寧にやっているのだと自分でも思う。ここまでやれるのなら、住んでいるときにやっておけばいいではないか。

今日は、玄関と外のタイルを磨いた。デッキブラシでこすって、水を流し、そのあと雑巾で拭いた。タイルを拭くという作業は、生まれて初めてした。これは、ばあ様がしていた掃除方法である。子供の頃住んでいた家の玄関には石が敷いてあり、ときどきばあ様はバケツと雑巾を持ってきて、しゃがんで拭いていた。手伝おうとしたら、「あんたはあっちへ行っときなさい」とうるさがられたのを覚えている。

水を使う掃除というのは、この時期が良い。乾燥しているので、すぐ乾く。ほこりっぽかった外のタイルもすっきりきれいになった。

その後、台所のキャビネットの汚れ腐ったドアの掃除。これは、入居時から汚れていた。何度か取ろうとしたものの、普通のクリーナーでは落ちず、見なかったことにしていた汚れ。しつこい油汚れ用のクリーナーをスプレーしてラップで覆って放置。その間、和室の電気の傘の掃除。ぞっとするほどの埃。和室っつーのは、長押し等のちょこっと出っ張ったところに埃が溜まるのがいやである。和室洋室に関わらず、幅木もいやだ。かがんで埃を拭わねばならない。

キャビネットは、放置したラップを取ったら、汚れも一緒にほとんど取れた。ラップをまるめてこすったら、全部きれいに取れた。こんなに簡単にきれいになるのであれば、もっと早くにきれいにすればよかったって、こればっかり。

その後、換気扇のところに取り付けていた、これまた汚れ腐った不織布のフィルターを取り除き、クリーナーでささっと周辺を掃除。そして、キッチンのカウンターの半分を磨いた。既に疲労していたので、残りは明日にしようと決め、きっちり半分だけ掃除。

「ああ、疲れた」と声に出るくらい疲れている。腰も痛い。腕も痛い。歩くと両方の股関節が痛い。