涙 上巻   新潮文庫 の 9-15

涙 上巻 新潮文庫 の 9-15

涙 下巻   新潮文庫 の 9-16

涙 下巻 新潮文庫 の 9-16

ざざっと読めた。東京オリンピックあたりの日本の様子がリサーチペーパーのようにちりばめられているサスペンス。あとがきにおすぎさんがこの本で涙したとか書いてらしたが、私は冷血なのか、涙のナの字も出てこなかった。刑事だった婚約者が理由も告げずに婚約を解消して失踪し、とてもじゃないが納得いかないお金持ちお嬢様の主人公が彼を探して、熱海の旅館に一人で何泊もしーの、新幹線でちゃちゃっと東京から大阪へ行きーの、パスポート取って沖縄まで飛行機でびゅーんとひとっ飛びしーのと、彼女の父親が会社社長じゃなければとてもじゃないが成り立つお話ではなかった。でもま、先を読みたい気にさせるストーリー展開でおもしろかった。乃南さんの話は、オンナオンナした登場人物が出てくるのが苦手でイラつくので読まなくなったのだが、そういうオンナを描写するのが上手ってことだろう。