勉強になるわ、金田一先生。日本語には季節や自然に関連する言葉がたくさんある、ということを改めて実感。美しいわねえ、日本語。また、sutbletyがいいわけよ。外国語に訳せないような、日本人なら察して理解できる物言い。
タイトルの「ホンモノの日本語を話していますか」という問いには、「いやー、おほほ」とごまかし笑いをしてしまうアタクシですわ。

The Kite Runner

The Kite Runner

おもしろうございました。アフガニスタンの上流階級で育った少年が、その少年時代、ソ連侵攻後にアメリカに渡った青年時代、結婚後のことを語るフィクション。前半の少年時代の部分は、自叙伝かなと思うくらい登場人物がリアルでその心の動きが見事に自然に描写されていて、のめりこんで読んだ。渡米する部分くらいから、「あれ、もうちょっと詳細がほしい」と物足りなさを感じた。それでもおもしろくてpage turnerではあるのだが、読後感はやはり「あー、前半の方がおもしろかったなあ」だった。上下巻の長編にすべきだったような気がする。著者自身もアフガニスタンから渡米しているわけだから、自らの経験に基づいた話も当然含まれているだろう。今はアメリカで内科医をしているらしい。この本が処女作。
アフガニスタンのことはニュースで見るくらいしか知識がなかったが、平和だった頃の暮らしぶりや、ソ連タリバンに好き放題されている状況、人々の心理、アメリカに移住してからの生活など、勉強になった。