最近、ばあ様の起床が早い。朝6時にトイレに行った後、ベッドに戻るときに鳴る離床センサーの音がしない。のぞいてみると、カーテンを開けて外を見ていた。「早いねー。」と部屋に入ると、「あら、おったん?(居たの?)」と言う。ばあ様は私がアパートを引き払ったことは知らないし、言うつもりもない。結婚のことも言ってなければ、フィンランドに引っ越すことも言ってない。結婚は喜ぶだろうが、引越しは動揺するだろうし、まあ、すぐに忘れるだろうし。
「まだ6時よ。もうちょっと寝れば」と言うと、「え?」と時計を見て、「まー、ほんと」と驚く。「でも、今日デイサービスでしょ」と昨夜伝えたことを覚えていた。いつもはすっかり忘れていて、「そういうことは、もっと早くに言ってほしかったわ」などと一言小言を言うのであるが、今回はなぜか記憶に残っていたようだ。
「そうだけど、それにしても、あと1時間は寝て大丈夫よ」と言うと、「そうするわ」とベッドに戻った。
母が7時前に降りてくるので、あまり早くに起きられると、朝食が間に合わない。冬場は7時半過ぎても起きないこともあり、デイの日は起こしていた日もあったくらいだが、夏は早くから明るくなるので起きてしまうのかもしれない。

結局、7時まで横になったようだ。デイに真冬の恰好をして行こうとするのを必死で説得してやめさせた。「寒かったら困る」は、6月になっても続く。