アパートは空っぽに。


 

昨日の引越しスタッフ二人の作業後のおやつとして、ゼリー飲料を渡した。実家の冷蔵庫に入れておけば良かったので、冷たいのを渡すことができた。

不要家具を取りに来るリサイクルショップの作業員には、冷たい物を渡せないのでどうしようかと考えた。アパートの冷蔵庫は前の晩にコンセントを外さねばならないので、冷やせないわけである。朝起きた後、自分用の朝ごはんのジュースをどうせ買いに行きたかったので、作業終了までに少しぬるくはなるが、お茶を2本買うことにした。

9時に来るはずのリサイクルショップの人は、9時半になっても来なかった。電話をすると、10時過ぎになると言う。そして、10時を過ぎた頃、先月見積もりに来たおじさんが現れた。そして、その後ろには3人の若者。4人での作業でしたかっ!お茶は2本しかない。

すぐ近くに自動販売機があるので、買いに行こうかとタイミングを計っていた。私の指示はもういらない状況になったので、「3分で戻ります」とおじさんに言って、玄関を出た。しかし、階段の曲がり角のところで、ベッドのフレームを運んでいた若者二人が立ち往生している。フレームが大きすぎて、曲がれないのである。私のベッドはレンチで分解できると伝えて、ある程度までは分解したようなのだが、台の部分はそのままで運ぼうとしていたようだ。結局、踊り場で工具を使って立ったままばらすことにしたらしく、私は下に降りることができない。内心、そんなところでばらしたりして、階段に傷をつけんでくれよーっ、と祈っていた。

仕方がないので部屋に戻り、家具を動かした後の埃の掃除などをした。そんなに長い間掃除をしていたとも思わないのだが、奥の和室の部屋で床を拭いていると、「作業、終わりました〜」とおじさんが言いに来た。お茶は買いに行けず。仕方あるまい。

無事に作業は終了したが、正直言って、引越しはここに頼まなくて良かったかもしれないと思った。大手の引っ越し業者よりはずいぶん安い見積もりをもらったのだが、昨日のネコ印の引っ越し作業員のプロぶりを見ると、今日の若者たちには頼りなさを感じた。何やら、床に物を何度か落として大きな音をさせていたし。

私の冷蔵庫は小型の一人暮らし用のものだが(1993年製だよ。長く持ったものだわ)、金髪の若者一人が持ち上げたところ、メガネの若者が可笑しそうに「一人で大丈夫か、おい」と言う。「だいじょぶっす」と金髪は答え、メガネが「ほんとかよ。手伝ってほしいなら、今言えよ」と笑う。内心、「頼むから途中で落とすなよー」と祈っていた。冷蔵庫はどうでもいいが、床が傷ついてはかなわん。金髪はがんばって無事に下まで運んだようだった。

洗濯機を取り除いた後を見ると、大量の埃にまみれて黒い布が見えた。「ひーっ、まさかパンツ?」と急いで近づくと、Pの靴下の片方であった。なんで洗濯機の下に入ってしまったのだ。謎。

家具も家電も全部なくなり、がらんとしたアパートである。ちゃちゃっと床を簡単に掃除をしてから、実家へ行く予定。まだ電気は来ているので、アパートの和室でネットをして遊んでいる。和室というのは、直に座れるし、家具がなくとも部屋としてある程度成立するよね。昼寝もできる。

実家の片づけを思うと、なかなかここを去る気にならない。片付け人生。

さっき、大家さんに焼き菓子をいただいた。今晩のデザートにしよう。