部屋を片付けながら、これだけバカスカと物を処分していると、もしかしたら荷物を別便でフィンランドまで送らずともスーツケースだけで引っ越せるかもしれないと思い始めた。もう一つスーツケースを持って行ったとして、超過料金はいくらになるのかフィンランド航空のサイトで調べてみたら、許されている23キロぎりぎりまでつめても、80ユーロである。オンラインで手続きをすれば3割引きで、50ユーロになる。思ったより安い。そして、マイレージのポイントで払うこともできる。私のポイントはどれだけたまっているかなとチェックしたところ、余裕で払えるではないか。
郵便局から国際小包でいくつか箱を送ろうかと考えていたのだが、送り状の準備とか、保険とか、色々調べていたら面倒になったというのが正直なところ。送るものといえば、衣類、靴、台所用品と本を少々である。あ、編み物の道具も。靴の多さが心配ではあるが、スーツケース二つでいけそうではないか。Pのところへ行くたびに荷物を置いて帰ってきているし、あの家の収納場所も限られているので、荷物が少ないに越したことはない。というか、これだけ色々処分しても、ウォークインクローゼットやキャビネットを相当うまくreorganizeしないと、私の持ち物をすべて収納できるかどうかも怪しい。
本は一部だけ持っていき、残りはしばらく実家に置かせてもらおうと両親にお願いしている。アメリカ時代の段ボール数箱もずっと預かってもらっているのだが、それは処分してしまうつもりである。アメリカから帰国するとき、荷物はすべて船便で送った。手伝ってくれた年上の友達は、「教科書なんか絶対見ることはないから、処分してしまえばいい」と言っていたのだが、自分の専攻関係のものはどうしても捨てる気になれず、ごっそり送ったのである。美術史の教科書はでかくて重い。ハードカバーで、電話帳どころではない重さである。それを何冊も段ボールに入れて送ったわけである。そして、友達の言うとおり、帰国して20年、ただの一度も見ていない。勉学については、過去を振り返らない女なのである。

「いい加減、アメリカから持って帰った大きな教科書とか、処分するよ」と母に言うと、「そうねえ。あたしのも処分しないとねえ」と言うではないか。彼女が60年前に留学していたときの教科書やノートをまだ持っているというのだ。その間、母は何度か引っ越しもしているが、捨てずにずっと取っておいたらしい。だったら、私もあと40年は取っといてもいいかな、ってきりがないわ。大体、私の場合は大学時代のだけでなく、高校時代のものも取ってあるし。か〜、捨てる物多すぎ。
しかし、レポートとテストは捨てづらいな。涙と冷や汗のたまものだからな。