美容院に行った。もう10年以上担当してくれているKさんとは、彼女の産休や休暇でタイミングがあわず、1年ぶりの再会となった。来年にはフィンランドに行くことに決めたこと、部屋の片付けが全然すすまないことなどを話しながら、いつものごとく、楽しく時間を過ごした。
最後に髪を乾かした後、カーラーで軽く巻いてくれた。以前からカーラーを買おうかなと思っていたので、使い方などを聞いた。最近のカーラーのことなど全然知らなかった私は、カーラーに巻いた髪の毛をピンで止めずとも、ただクルクルッと巻きさえすればカーラーにくっついて落ちないということにいたく感動した。鏡を見なくとも巻けるし、実に簡単なのである。「すばらしい! 帰りに買いに行きます!」と興奮した。
支払いが終わったとき、「ちょっと待ってくださいね」とKさんは一度奥に引っ込み、「これ、お祝いにもならないんですが、どうぞ」と今使ったカーラーと同じものを一袋くれたのである。別にもらおうなどとは微塵も思っておらず、使いやすそうな欲しかったものを見て、単純に騒いでいただけだったのだが、散々「すばらしい!欲しい!」とアピールしていたようなものである。恥ずかしすぎるが、とても嬉しかった。

巻くわよ。