おめでとうございます。

生まれて初めて神楽を見に行った。神楽そのものはなかなかおもしろかった。県北の神楽団によるパフォーマンスであった。豪華な衣装、迫力ある舞い、お腹に響く和太鼓。せりふは、なんちゃらかんちゃら候、とかでよくわからなかった。自分の日本語の理解力の低さを思い知った。お面をかぶってしゃべっているときなど、何を言っているのかさっぱりわからなかった。一度、「ぬかりなきよう!」と言ったのだけわかったので、それをPに"don't fxxk it up"と訳した。自分の攻撃的性格に改めて気づく新春。般若のお面をかぶった姫の舞いは、親近感を覚えたりしてね。
で、なんといっても笑えたのが、観客である。武道場での公演だったのだが、舞台に近いところは畳。寝転がってみているお父さん、走り回るガキ、ビール片手に焼きそばとか食べてる人もいるし、「家ですか」という自由さである。我々は2階席の上部の椅子に座っていたので、全部見渡せるわけである。隣に座ったおじいさんは座布団持参である。おまけに暑かったのか、靴を脱ぎ、前の椅子の背に足を乗せ、ズボンを半分あげてあったかそうなズボン下を出していた。おじいさんは気のいい人で、「衣装は100万円くらいするらしいですよ」とか、「お連れはアメリカの人ですか」と私に話しかけてくる。「フィンランドです」と答えると、「ほう、ふいんらんどですか」とうなずく。「神楽に興味がおありで?」と聞くので、「見た事がなかったので来てみました」と言うと、「え?奥さんも初めて?奥さんは日本の人?」と驚いていた。おじいさんにとっては、毎年恒例の新春イベントなのだろうか。

神楽の後は、初めて入った中華料理店で早い夕食。"She's rude"と普段は何も言わないPがつぶやいてしまうほどの感じの悪いウェイトレスだったが、ほんとに中国にいるみたいでいいじゃない!とポジティブな私。おほほ。

その後、生まれて初めて初売りのデパートへ行った。セールを求めてやはりかなりの人ごみであった。色々見て回ったが、目に付くのはセール対象外のもの。お目が高い私。えー、バーバリーのダウンコートがものすごくステキでした。16万8千円でした。これがoverpricedじゃなくてなんでしょうか。試着しただけで笑顔で店を出た。おほほ。
別の店に可愛い黄色のコートがウィンドウに飾ってあったのを私がほめたところ、Pが試着してみろと言う。この店は20代・30代前半の女性が対象だろうなと思ったが、うるさく勧めるので、店員さんに「あのコートのサイズ40はないでしょうか」と聞くおばさんの私。そして優しい店員さんは、「40でございますか。申し訳ありません。40は作ってないんです」と返事。失神したい私。さらに店員さんは「でもゆったりしたつくりですので、試着されませんか」と言う。いや、おそらく無理よ、と思うのだが、Pは着ろとうるさい。わざわざマネキンから脱がせて持ってきてくれる店員さん。申し訳ない。腕を通した瞬間、「(う、腕がきつい)」とまた失神したい私。一応着ることはできたが、ボタンをはめることは避けたい。背中から二の腕がキチキチなのである。「色はとっても可愛いですけど、やっぱり無理です。ごめんなさい、わざわざ持ってきていただいたのに〜」と冷や汗かきながらあせって脱いだのであった。
夜11時過ぎにお餅にチーズ乗せて食べる40女は、サイズ38なんか着ちゃだめなのよ。