寒がりのばあ様の寝床の暖め方にいまだ頭を悩ませている。
いまだに電気毛布を出せという要求は出ているが、テキトーにごまかしている両親と私。最近は布団乾燥機でまず全体を暖めて、湯たんぽを入れることにした。湯たんぽも、ファシーのゴム製の小さいものからオーソドックスな金属の大きいものに替えた。10月にこれを使ったときは暑かったらしく、夜中に汗をかいて着替えていたが、さすがにもう汗をかくことはない。温度に関しても、朝まで文句を言うことはなかった。ただ、用意する方としては、取り扱いが結構面倒である。大きいからお湯を入れると重くなる。おまけに金属なので、直接触らないようにしないと当然ながら熱い。湯たんぽをタオルで2枚巻いてから付属のカバーに入れている。それでも充分暖かさは感じる。大きい分、熱の持ちはいい。
[rakuten:analostyle:10001510:detail] 自分用にも欲しい使いやすいファシー。

ホーム湯たんぽ(袋付)

ホーム湯たんぽ(袋付)

 これねえ、使い勝手を確認する前に自分用にも買ってしまった。
ちょっと手間だが、とりあえずこの大きい湯たんぽで解決かなあと思っていたら、そうではなかった。先日、押入れを開ける音がばあ様の部屋からしたので、なんだろうと覗いてみると、怒った顔をして電気ひざ掛けをベッドに敷いていた。その手があったか、と部屋に入り、「何やってんの」と聞いてみた。ばあ様、私を完全無視で、ベッドメイキングに忙しい。「これを使ったら、湯たんぽは一緒に使えないよ」と言うと、「足が冷たい。あー、足が冷たい」を繰り返す。もう殺気だっていた。電気毛布を取り上げたことに怒り心頭なばあ様。電気ひざ掛けがあったことを思い出して、それを代用品としたわけである。両親は電気ひざ掛けの存在を知らなかった。私は知っていたが、忘れていた。失敗。
この状態では何を言っても無駄だと判断し、好きなようにさせておいた。夜寝る段になり、布団に入って「え、なにこれ」とひざかけのフリンジを触って不思議がるばあ様。「さっき、電気ひざ掛け敷いたじゃん」と言うと、「そうじゃったかいね」と言い、「もう一回トイレ行っとこ」とベッドから出た。こういうとき、近時記憶の衰えは使える。今がチャンスと、ばあ様がトイレに行っている間にひざ掛け撤去。大急ぎで湯たんぽ用意。ベッドに投入。ばあ様、何の文句もなく寝る。
これからもっと寒くなったら、大きい湯たんぽでもばあ様は「冷めた」と文句を言う可能性は大きいと判断。そこで、充電式電気あんかを買うことにした。6時間くらいしか暖かさがもたない製品が多い中、40度から50度の暖かさを8時間以上キープできるという蓄熱式あんかを見つけた。「強」で1時間半から2時間充電した時点で65度。徐々に温度が下がっても、8時間以上40度ならばいいではないの、と通販生活で買った。送料込みで15050円。高っ。支払いは父。
「アンカ買ったよ。朝まであったかいよ」と暖かさをアピールしてばあ様に見せる。1日目、朝まで文句なし。2日目、朝4時半ごろ、電気をがちゃがちゃがちゃがちゃつけたり消したりしていたので、部屋へ行く。眉間に皺を寄せて「もう、これが冷めて冷たいっ」とアンカを手に持って不機嫌である。「電気毛布はどうなったんかねえ」と悲しそうな声を出す。無視して急いで小さい方のゴムの湯たんぽを用意。これはポットのお湯を入れればいいので準備は簡単だ。
この蓄電式のアンカは、「弱」にしておけば通電したまま使用できる。温度は40度以上にはあがらないらしい。なぜか取説には、弱では暖かさが弱すぎるのでアンカとしての使用はお勧めしないとあるが、真冬じゃないんだから、40度でいいんじゃないの、と通電状態で使うことにした。まずは「強」で充電して65度まであげておき、睡眠中は「弱」で通電しておくのである。
一昨日からこの手でやっているのが、夜中トイレに起きたとき、「寒くない?」と聞いても「だいじょぶ。寒くない」と機嫌もいい。今ぐらいの気温ならこれで解決かも、と思っていたら、さっきばあ様の部屋からむかついたトーンの独り言が聞こえた。何事かと行ってみると、「カチカチ硬いものが足に当たるけど何?」と不機嫌である。そう、このアンカは確かにカチカチ硬い。もう一枚タオルでくるんでおいたが、まあ、気休めよね。今のところだまって寝ているが、また言い出しそう。もしくは、タオルでくるんだゆえに感じる暖かさが減って文句を言いそうだ。
電気毛布はさあ、「強」にしてもそんなに温度の上がらない、高齢者用のものを作ってもらえないかなあ。「寝るときは弱にして寝る」ともっともなことを言うばあ様だが、実際は「強」にしたままなんだもの。パナソニックあたりにメールしてみようかいな。