ばあ様が外を歩けるようにレンタルしたシルバーカーが届いた。
しかし。
理学療法士の森本さん(仮名)が、外で使い方の練習をしようと誘ったものの、「勘弁してくださいな〜。今日は寒いし」と言って断っていた。優しい森本さんは、残念そうではあったが、無理強いすることもなく今日のリハビリは室内での運動だけで終わった。
夜、「シルバーカーがあれば散歩できるよ。足のむくみも治るよ」と言うと、「あんなものを押さんでも歩けるよ」と強気な発言。「あれがあれば楽よ」とさらに言うと、「だって、はずかしい」と本音。やっぱり。想定内ではある。「誰も気にしないよ」と私。自意識過剰であることは自覚しているばあ様なので、「そうそう。頼んでも誰も見んよ」と投げやり。おまけに「わたしもあんなものを押すような年になった」と嘆いている。98歳。
父は、自分も杖をついて歩くようになったときにはいやな気分だったので、ばあ様の気持ちがわかると言う。そういうものなのか。さすが親子。私もそういう立場になったらそう思うのだろうか。杖をついている人を見ても、シルバーカーを押している人を見ても、なんとも思わないが、自分が使うようになると最初は人の目が気になるようになるのかな。私の場合、「こっちは杖が必要なのよ。気ぃつかいなさいよ」くらい思ってえらそうに歩きそうだ。
大体、ばあ様のシルバーカーは結構おしゃれである。いいと思うんだけどなあ。ばあ様には、「マスクして歩けば、誰かわからないよ」と提案しておいた。「そーんなこと」と一蹴されたが。どうっすっかなあ。