喉がちょっと痛い。しかし、今回は風邪をぶり返したというより、ばあ様と数時間話すからだと思う。喉を痛めない話し方をいうのを検索したら、腹式呼吸で、低めの声で話すと良いと書いてあった。高校までは合唱をしていたので腹式呼吸はできるはずだが、話すときに使うことはこれまでしていないような気がする。こうなったらミュージカル仕立てでばあ様と話すか。

週末と祝日にはリハビリがないので、母と付き添いを交代するときに二人でばあ様の前後に立ち、病室の中で歩く練習をさせている。私が前に立ち、ばあ様が私の手を支えに歩くのだが、結構体重を預けてくるので38キロを切るばあ様でも重い。前かがみになるのでなおさらだ。「もうちょっと腰をまっすぐにして」と言うとしばらくはその通りにするのだが、その方がやはりしんどいと言う。「わー、歩けんようになった」としきりに言うのだが、結構しっかり歩いている。窓の近くまで歩いた際、「外、見る?」と言うと、「あ、食堂がある」と道路を渡ったところにある居酒屋のようなところを見て言い、「退院したら食べに行こう」と驚きの前向き発言。
部屋の壁沿いを3往復くらいして終わるのだが、実は私の腕は今日、筋肉痛になっている。私にとってもいい運動だわ。

いつも面会時間が終わる午後8時まで私はいるのだが、日が落ちると「もう外まっくらよ。Kayちゃん帰らんと」と何回も繰り返すばあ様。入院当初からそれは言っているのだが、今日初めて「これを言うときが一日の中で一番嫌い」と言った。どういうことかと聞くと、「なんだか寂しくて、首の方から涙がこみ上げてくる感じ」と言う。どんな体のつくりじゃ。
ここしばらく、家に帰りたいと何度も言うのだが、やはり入院生活が2ヶ月を過ぎて、弱気になってきたのだろうか。それまでは一切こういうことは言わなかった。とはいえ、一時落ちていた食欲も出てきており(薬を一つやめてもらったのよね。これについては後日病院の悪口と一緒に書くかも)、毒も結構吐くようになってきたので、当初よりちょっと弱っている感じではあるが、回復してきていると見ている。口の悪さで具合の良し悪しを判断されるばあ様って。