えー、ちょっとめげそうである。忙しい。明日は歯医者にも行かねばならぬ。ここ数日、ずきずき痛い。疲れか。
今日は、ばあ様のベッドの布団を直していたら、なんと錠剤が一つ出てきた。ひーっ。飲むときに落として気づかなかったのだろう。全部きちんと飲むことを確認しなければならない。毎食後、看護師はそれをする暇があるのだろうか。今日は夕食が終わってから訪ねたのだが、歯ブラシは洗面所に置いたままだったし、いつも飲む熱いお茶もなかった。やっぱり、夕食前に行って、必要なものを用意してやらねばと思った。つーかね、イラついたよ。今日は主任看護師がいなかったから、彼女がいないとこうなるのだろうか。彼女は主任になるだけあって、気配りがきちんとしている。おまけにいつも笑顔だ。すごいよ、笑顔でいられるなんて。心から尊敬する。
今晩のばあ様は、いつもよりおかしな言動が多く、これもまためげそうな気分になった一因である。私が一人暮らしであるということが、すっかり記憶から抜けていた。自分の住んでいた家を頭で思い出そうと思っても思い出せないと言っていた。環境の変化は本当にいかん。症状が進んでしまう。
私もあんまり真剣にならず、完璧を目指さないようにせねば。あー、歯が痛い。
今日は、別の部屋に入院している人に優しく話しかけている看護師の声が聞こえてきた。足が折れて手術をしなきゃいけないから、今夜はここに泊まってね、家には帰れんのよ、と言っていた。せつない。少なくとも、うちのばあ様は、家に帰りたいとは言っていない。「こんなになって悔しい」とは言い、骨折や手術のことは記憶になくとも、何か異常があって入院していることは理解している。あの患者さんも大腿骨骨折なのだろうか。なんかこう、今晩は悲しいわ。