猛暑の中、根管治療へ。もう、すさまじい日差し。何を着ていいものやらと悩んで、バスに乗り遅れそうになった。何着ても暑い。
今日はいつもの診療室ではなく、個室へ通された。手術をする部屋で、マイクロスコープが置いてある。あこがれのマイクロスコープ、ついに。
手術室の診療台は、ふわふわしてすわり心地が良い。ヘッドレストも柔らかく、頭が痛くならない。やはり長い時間横になっていることを想定しているからか。
I先生が準備をしている間、部屋を見渡していると、ワゴンのかごにカスタネットがあった。赤と青の丸いのがパカッと開いている状態のあれはどう見てもカスタネットだが、どうしてこんなところにあるのだろう、聞きたい、でももしかしたらカスタネットじゃないのかもしれない、先生は準備で忙しいのに話しかけると悪いな、しかし、気になる〜、としばし悩んだ末、「あれは、カスタネットですか」と聞いてみた。「そうです」との返事。手術のときは、患者の顔を全部覆うので、痛いときや苦しいときの意思疎通ツールとして患者に持ってもらうらしい。手をあげるというのは、処置中の医師に当たったりする危険もあるので、カスタネットを使用するんだとか。「意外と原始的なんです」と笑うI先生。「鈴も欲しいですね」とつまらんことを言う私。
顔を覆わない私の治療中は持たせてもらえなかったが、ぴきーっと痛いときに眉間に皺を寄せながら、心の中で「カスタネット持ってたら、今のは連打連打」と考えて、気を紛らした。
途中、前回も登場の男の先生と変わった。しばらく触られる感じもしなかったので、何もしてないのかなと思ったら、ぴきっと痛かったりして、ちゃんと中を掃除していたのであった。びっくり。上手。この先生は、私の表情をよく見ており、ちょっとでも顔の筋肉がぴくっとすると「あ、痛いね、ごめんなさい」と謝り、すぐにリーマーを歯から出す。I先生の場合、思いっきり眉間に皺を寄せても、無言で作業続行である。タフ。
その後、先生同士で、遠心だの、近心だの、80だのなんだのとよくわからない話をし、一度男の先生は出て行った。I先生がしばらく作業した後、また男の先生が戻ってくると、I先生は「こんなの出ました」と言う。うー、見たい、どんなのだ、ともぞもぞするが、動くわけにもいかないし、我慢。そして、その「こんなの」を取ったときに少し出血があったらしい。いったーいっ!と思った瞬間があったのだが、あのときかな。そのブツが根だかどこだかを押していたために、取ったときに押されていたところから出血したのかもしれないとI先生。男の先生は、念のため、細菌による炎症かどうかを診るために検査にだすよう指示。「でも、無菌だよね」と前回の細菌検査の結果を確認していた。
結局、もしかしたら、このブツが痛みの犯人「かも」しれない。今日はちょっと血も出たことだし、痛みはしばらくひどくなるかもしれないが、それが治まると前よりは落ち着いてくるかもとI先生。そうだったらいいが、もはや私は何も期待しない。
次は10日後。予約の開きがなかなかないのだ。ちょっとブルー。
今日の治療は2時間。でもヘッドレストがふかふかだったので、頭はしびれなかった。270円也。ありがた過ぎる低料金。