アメリカの高校時代、アメリカ人に着せて見せることもあろうと、母に浴衣を買ってもらった。紺地にピンクのうちわとあやめ(だと思う)の柄で、帯と下駄の鼻緒は明るい黄色である。祖母に着方を習い、上手に着れていたとは思えないが、学校の行事やハロウィーンで2、3度着たと思う。
帰国するときに持って帰り、それ以来、着ることもなく、ずーーーーっと引き出しの奥にしまっていた。今回、アメリカの親戚が来日すると聞いたとき、従兄の娘のSちゃんにあげようかなと思い、久々に出してみた。痛んではいない。下駄は傷がついていたので、あげるなら浴衣と帯だけだよなあなどと考えていた。でも、着せてあげる人はいるのだろうか、とか、大体着る機会があるんかいな、と考えると、もらっても迷惑なだけかもと思った。
フィンランドのMちゃんは背が高いので無理だと判断したため、Sちゃんはどうかなと思ったわけである。Sちゃんのお父さんである私の従兄はそんなに飛びぬけて背が高いわけではないので、Sちゃんなら浴衣の丈を気にしなくていいかなと推測したのだ。そして広島駅で初めて会ったSちゃんであるが、Mちゃんより背が高かったよ。「はーい、ナイストゥーミーチュ〜」と言い握手をしながら、「浴衣は無理だな」と即座に思った私であった。
この間、病院で読んだ女性誌に、浴衣の着こなしの特集があった。若い頃から持っている浴衣の柄は可愛すぎてもう着れないと思う人は、結構いるらしい。だよね。モデルになっていた読者モデルみたいな人は、お祖母さんが作ってくれた紺地にアジサイ柄の浴衣と黄色の帯を持っていた。こういう場合、帯を紺系にすれば、大人っぽくなっていいのだと書いてあった。しかし、このモデルはどうみても30代である。さすがに40過ぎた私は、ピンクのうちわ柄はもう無理だと感じる。
この間洗ってからまだアイロンをかけていない。この暑い中、アイロンなんかかけたくないので放置している。そんなしわしわの写真。

古着店に売るかなあ。