オリンピックでスピードスケートの様子がテレビに映ると、母は「あのカーブを曲がるときの快感がいいのよ」と嬉しそうに言う。彼女は、満州の女学校時代に選手だったらしい。やはり冬は寒いので、体育の授業はスケートが定番なんだとか。
父はといえば、やはり授業でやったらしく、「あのカーブが上手に曲がれなくて涙が出た」と言う。とほほー。私が運動を苦手とするのは、父譲りのようだ。
私が小学校1年のとき、鉄棒で逆上がりが出来なくて困ったのだが、母は「なんで出来ないのか不思議で仕方がなかった」と言っていた。大体、腕の力が私にはない。のぼり棒も登れなかったし。どこにどう力を入れたら登れるのかわからなかった。うんていも然り。水平なタイプはなんとか大丈夫だったが、円弧タイプは上に上がれずぶらさがりっぱなし。体育の授業で絶対にできるようにならないとだめと言われ、放課後、手のひらにマメをたくさん作って練習し、できるようになった。いつも体育の成績は「もうすこし」だったのだが(とほほー)、このときは先生が努力をかってくれて、「ふつう」にしてくれた。「もうすこしに近いふつうだからね」と釘を刺されたことを覚えている。小学3年のときの話。できる子にはなんでもないことなんだろうけどね。
家で本を読むか、テレビを見るか、リカちゃんと遊ぶかしかせず、公園に行ってもブランコが一番好きだった私は、筋肉を発達させる遊びというものをほとんどしてなかったからな。ブランコは、強く漕いでるときのお腹がふわっとする感じがたまらなく好きだった。座って遊べるし。どこまでも怠惰。