起きたら外はマイナス15度だった。そんな日に「DVDを図書館に返しておいて」とPはほざく。最寄りの図書館は、今日は午前11時から午後4時までしか開いていないので、彼が行くのは時間的に無理だというのだ。時間外返却ポストはないのか、と聞くと、ないと言う。すべて電子処理なわけである。借りるときも、自分で図書館カードを機械に読み込ませ、DVDや本をバーコードリーダーを通していた。返却時も似たようなことを別の機械でするらしい。
「みんながみんな、時間内、それもこんな短時間しか開いていない日に、返却に行けないでしょうよ」と言うと、遅れて返しても猶予期間がある「みたい」で、延滞金を取られたことはないと言う。そういや、日本に図書館で借りた本を数冊持ってきていたPだが、帰国後スーツケースが2日遅れで届いたので返却日に間に合わなかったのに*1、延滞金を払えとは言われていない。なんか不思議なシステムでよくわからんし、Pもはっきりわかっているとは思えない説明のしかたであった。
とにかく、この寒さの中、私は歩いて10分の図書館へ行かねばならぬわけである。めんどくさー、いやだー、と思いつつも、2日間家から出ておらず(結局昨日もひきこもり)、イライラしっぱなしだったので、「外出は自分のためにもなる」と言い聞かせ、午後1時ごろ、出かけることにした。
天気は良くて、気持ちよく晴れている。雪が積もって明るい。一歩家を出ると、素敵な開放感とともに、顔を襲う冷気。痛い。ダウンジャケットを着ている胴体は寒くないのだが、出ている顔はまじで寒くて痛い。学校帰りの子供の頬が赤くなっていたが、私のもなっていたに違いない。とっとと図書館まで行って、とっとと帰るべ、とせかせかと急いで歩いた。
歩いていると、きーこ、きーこ、と音がしたので振り返ってみると、ブランコをこいでいる女の子がいた。この冷気の中、あなたは風を感じたいですかっ。若いってすごい。
10分ほど歩いて図書館に到着。返却はベルトコンベヤーが設置されている窓で行う。タッチスクリーンがついており、そこに返却要領が説明されているのだが、"English"とあったので、迷わずプッシュ。ありがたい。バーコードが上に向くように返却するものをベルトコンベヤーに一つずつ乗せろと書いてある。データを読んでいる間は"Wait!"と表示される。返却するものがなくなったら、"Quit"を押す。画面には、返却したもののリストが表示される。レシートが欲しいかどうか聞いてくるので、欲しければYesを押すと、プリンターからジジジと出てくる。簡単。すばらしいね。でも時間外返却が出来ないのは不便と思ってしまうのだが。
帰りはついでにスーパーに寄った。イギリス英語を子供と話している女性が買い物をしており、精肉コーナーで何の躊躇もなく英語でハムを注文していた。店員も普通に英語で対応していた。なんか私、一人でスーパーに行ったときは、店員に英語で話すのが悪くて、パックの肉しか買ったことないのよね。「ブタ、ヒャクグラム」くらいフィンランド語で言えてもいいんだけど、「豚肉100グラムいただこうかしら」とは事前に調べていかないと言えないな。日本でもこんな言い方したことないけど。今度肉や魚を買わねばならないときは、勇気を出してフィンランド語でオーダーしてみよう。
帰宅したときには、顔がシモヤケになっているのでは、と思うくらい感覚が麻痺していた。顔の痛寒い散歩ではあったが、やはり外の空気を吸うというのは必要だと実感。明日もがんばろう。

*1:こういうことがあるから、私は図書館から借りたものを海外には持ち出さないことにしている