フィンランド語講座で驚いたこと二つ。
最終日の前日のこと。先生が、「ここの秘書は生徒の名前のスペルをよく間違えて名簿にするので、今から紙を回すから、各自フルネームを書いて欲しい」と言った。最終日に修了証をくれるので、それに書く名前を間違えたくなかったからだろう。
席を一つ空けた私の隣には、いつも中国人のサンディちゃん(仮名)が座っていた。初日の自己紹介のとき、「私はサンディです。中国人です。」と言ったので、香港の人なのかなと思っていた。私の知っている香港出身の人は、みんな西洋の名前だったから。結局、いつも挨拶くらいで個人的なことを話すチャンスもなく最終日前日になってしまった。
名前を書く紙は、サンディちゃんから回ってきた。紙面を見た瞬間、私は固まってしまった。"San Di"と書いてある。サンディはフルネームだったのか。Sandyだと信じて疑っていなかった。先生もずっと「次の問題はサンディどうぞ」などと言って当てていたし、先生も絶対に勘違いしていたに違いない。もう一人の中国人以外は全員勘違いしていたと思う。毎回毎回フルネームで呼ばれていたサンちゃん。途中で訂正してくれればよかったのに。

そして最終日。教室に入ってきた先生。カバンを椅子に置くなり、エチオピアのヤマダさんに「You are not registered」と言う。彼の名前が正式な名簿に載っていないというのだ。ヤマダさんは、「I was on the waiting list」と答える。っえ〜、あなた、空きがあると連絡を受けたわけでもないのにノコノコ講座にやってきて、テストまで受けたわけですか。先生は呆れた顔をし、"Your name is not on the list."と言うと、"Why?"とすっとぼけた答のヤマダ。先生も初日にちゃんとチェックしなきゃだめじゃん。ヤマダ、お金を払わずに受講したわけである。最終的に学校側がどう処理したのかは知らない。いや、びっくり。