オフィシャルなお盆休みは終わっているが、夏休みをまだ取っているらしき日本人観光客をよく見る。フィンランド語講座の帰りの路面電車の中で、幼稚園くらいの男児とまだ乳母車に乗っている子供を連れた日本人夫婦が乗ってきた。バスと違って、路面電車の乗降口には3段ほど階段がついている。ご夫婦は周囲に迷惑をかけまいと、素晴らしいチームワークで乳母車を持ち上げて乗り込んできた。乳母車をかかえながら、お母さんは長男君に「早く乗って!」と指示も忘れない。降りるときも「降りて、降りて!」と長男君を先に下ろし、お父さんと一緒に乳母車をかかえて降りていった。私もその電停で降りたのだが、棒についたフィンランドの国旗を持っていた長男君が腕を下げて旗が地面につくと、お父さんがすかさず、「上にあげて!殴られるよ!」と注意。人様の国の国旗を地面にふれさせてはならぬということなのだろうが、殴られるとはこれまた激しい。
降りてから気づいたのだが、そういや、電車の乗降口には乳母車の絵のついたボタンがついている。あれを押せばステップが下がって降りやすかったのだろう。乳母車で電車に乗る人を実際に見たことがなかったので、存在を忘れていた。
それにしても緊張した空気を漂わせた家族だったなあ。こっちも緊張したよ。