スーパーでのカルチャーショックな出来事。
フィンランドのスーパーでは、アメリカと同様、レジにコンベアベルトがついており、客は自分でカートまたはカゴから商品を出してコンベアの上に置く。レジ係の人はそのコンベアを操作して徐々に動かしながら商品を手に取り、バーコードリーダーで値段を入力していく。自分の品物と前後の客の物とを区切るため、棒を置くようになっている。
私はいつもどおり商品をベルトの上に並べ、前の人が支払いを済ませるまでレジカウンターの端に立っていた。ベルトが動いていないので、私の商品はカウンターの端ぎりぎりまで置いてある状態(i.e.次の人が品物を置くスペースは無い)。前の人がクレジットカードのサインをしている間、レジ係の人が少しベルトを動かしたため、私の商品が少し前へ進み、カウンター端から多少のスペースができた。すると、私の後ろにいたじーさんが、区切るための棒を取り、それをベルトの上に置く前にいきなりカウンター上にかがみこむ姿勢になり、左腕で私の置いた商品を前方へ押しのけたのだ。わかるかなあ、机の上のものを一度に床に落とす感じで腕を使ってダーッと商品を押したのである。当然私の商品はぐちゃぐちゃに重なるわけである。もうあたしゃ唖然としてしまって、何語も出てこなかったよ。5秒もすれば私の番になり、ベルトはどんどん前に進むんだから、自分の商品を置くスペースなんぞすぐ出来るわけである。店員も見ていなかったのかどうかわからないが、笑顔で挨拶をしてレジを打つだけであった。アメリカでもフィンランドでも旅行先の国でも、今までこういうコンベアベルトのあるスーパーで数え切れないほど買い物をしているが、自分の買おうとしている商品を他の客に触られ、ましてや押しのけられたのは初めてである。
フィンランド語講座でクラスメイトにこの話をすると、"That's so rude!"というコンセンサスがメキシコ、スペイン、スウェーデンから取れたので、日本人の私だけが驚くような状況ではなかったようである。パーソナルスペースをリスペクトしない人っているのよね、とメヒカーナのBちゃん。その通りなのである。
で、帰宅してからPに報告すると、"Yeah, that's what forest people do."と驚かない。マナーの話になると、彼は自国民をforest peopleと自虐的に呼ぶ。このじーさんと同じことをやる人を見たことがあるわけである。驚くなあ。
じーさん、今度やったらあたしだまってないからね。