年末にテレビをつけたら、30人31脚をやっていた。普段そういう番組を見ることはないが、Pが非常に興味を持ち、最後まで見た。そのチームワークにいたく感心し、負けても勝ってもやたら泣く子供たちと先生たちを不思議がっていた。彼らの努力が素晴らしいことに異論はない。立派である。が、私自身はあの一致団結の精神とそれを強要する雰囲気が得意ではなかったので、練習で先生が子供たちを罵っていたり(スパルタという名のもとで。まあ、これを檄を飛ばすと言うんだろうけど)、どなっているのを見ると、こういうミリタリスティックなところがいやだったんだよと、ちと嫌な気分になったりもした。
Pが会社でこのレースの話をしたら、皆が興味を持ったらしく、ビデオがないかとメールで聞いてきた。YouTubeあたりにあるかもと思って調べたら、いくつかあったので、リンクを送っておいた。外国の人にはおもしろいんだろうね。
フィンランドだったら、勝てなかったら個人攻撃があるだろう、とP。日本でも皆無とは言わんが、表向きにはそんなのは許さないだろう。一応は「皆で心を一つに」だから、かばいあい、連帯責任という方向に持っていくわけである。連帯責任の精神は、小学校から叩き込まれるもんなあ。小四のとき、掃除をまじめにしなかった男子が同じ班におり、先生は班の全員を後ろに立たせて「すみませんでした」と謝らせたことがあったのを思い出したわ。「あたしはちゃんと掃除してた」と女子が文句を言ったら、班の責任だと先生にさらに叱られた。私だって、なんで一部の男子のせいで私達まで叱られるのか、と納得いかなかったのだが、主張すればもっと叱られるので、とりあえず謝っておけば良いという判断をした。本当に悪いと思っていたわけではない。そこまで素直じゃなかった。まあ、個人攻撃もいかんし、何でも連帯責任でっていうのもおかしい気がする。
レースが終わった後に泣くことについて、Pが「皆が泣くから泣かなきゃと思って泣いた子もいるはずだ」と言っていた。十分あり得ると思う。私もしたことあるから。ふはは。私の場合は高校一年だったが、運動会の後の反省会みたいな集まりで、同じチームだった三年が「みんな、いい思い出をありがとう!」と感動のスピーチをしてひとりひとりと握手をするという、くさい青春ドラマのようなシーンがあった。「せんぱーい」と私が仲の良かったグループの女子も全員号泣。あれま、私も泣かなければ雰囲気が壊れると判断した私は、必死で悲しいことを考えて涙を流し、後は皆と肩を組んで俯いて泣くふりをしていた。あたしもグループの一員として外れたくなかったんだろうね、あほくさいと思いつつも。とりあえず泣いとけって。こんな無理をしていれば疲れるわけだ。自分らしくないことはしないことである。
年末の番組を見て、私が小学生のときに30人31脚が流行らなくて良かった〜、としみじみ思ったのであった。