フィンランドに来るときは、何巻にもわたる長い日本語の本を持ってくることが多い。ここ最近は山崎豊子の作品を読み、前回など「二つの祖国」を読んでドーーンと落ち込んだ。今回はいつもより長い滞在なので、もうちょっと長めの本をと思い、「白い巨塔」にした。有名すぎるくらい有名だが、読んだことなかったのだ。実はテレビドラマも見たことがない。田宮次郎と山本学がやっていたドラマを子供の頃ちらっと見た記憶があるが、内容は全然覚えていないし、数年前のリメークも見ていない。
ということで、あらすじをほとんど知らないまま読み始めた。今4巻の途中(out of 5)。やっぱり山崎さん、リサーチがすごい。読み飛ばしまくりと言ったら、ファンに怒られるか。医学的な詳しいことはいいから話を先に、とイラチの私は思ってしまったりするわけである。しかし財前、むかつく。
随所に出てくる「おりっぱ」という言葉に笑ってしまった。「おりっぱな方」などと、女性陣がよく使っている。前に読んだ山崎氏の本にも出てきていたな。どれかは忘れた。最近言うだろうか、これ。ごりっぱ、の方が耳に自然だ。それとも言葉遣いの丁寧な人たちは、おりっぱ、なのかな。「財前、むかつく」程度の感想しか述べられない私には縁のない言葉だ。
...改めて「ごりっぱ」と口に出してみたが、私なら単に「りっぱ」としか言わないな。「立派な方」だけでも別に無礼じゃないと思うが。「へえ、ごりっぱなことで」と嫌味で使うときは別として。わー、嫌な女。