夕方、母の見舞いに行ってきた。手術室から上がってきて間がなかったらしく、うとうととしていた。顔も土気色でなんだか「病人」である。大した手術ではない、と言っていたし、まあ開腹するわけでもなく、確かにminor surgeryではあるが、全身麻酔をして胃の中のものを取る作業をすれば、やっぱり術後すぐに元気一杯というわけにはいくまい。
持っていった花を花瓶に入れていたら、薄目を開けて手をふってきた。「お、いかが」と聞いてみたら、「吐きそう」と言う。確かに気分が悪そう。すると看護師さんが新しい点滴を持ってやってきた。「これに吐き気止めも入ってますからね。気分悪かったらナースコールしてください」と言って、万が一のために洗面器(というのかな)も置いていってくれた。実にそれはグッドタイミングで、約5分後にmom got sick. 体を横にさせて、背中をさすっていたら、母が小さくてfrailでなんだか泣きそうになった。「老母の見舞い〜」なんて冗談っぽく思っていたのだが、いざ術後の苦しそうな姿を見たら、心配になってしまった。いつもニコニコしている人なので特にね。
だが、吐いてすっきりしたらしく、「あー、楽になった」と顔色も徐々にピンクに戻り、麻酔がどんなだったとか、色々話し始めたので安心した。今日、明日は点滴だけらしい。そして、流動食、3分粥、5分粥、7分粥というように徐々に普通食にしていくらしい。
父は来たのか、と聞いてみたら、手術前に電話して、大雨だし大変だから来なくていい、と伝えておいたと言う。確かにすっごい雨で、私は電車で行こうと思って家をでたのだが、5分歩いただけで靴もジーパンのすそもsoaking wetになってしまい、ギブアップしてタクシーで行った。父は心配性ながらも、来なくていい、というならば、行ったら余計に気を使わせるかもしれない、などと考えるたちなので、きっと自分からは来ないと思い、「呼ぼうか」と母に聞いたが、全然必要ない、という感じで首を振った。「看護師さんに、家族を呼ぶ必要なんて無いですよね、って聞いたら、無いって言ったし」と言う。
しばらく話した後、「心配しないでって言っといてね」と言う母に「おっけー、んじゃね」と手を振って病室を出た。
実家に寄ると、案の定、父は苦悩の表情を浮かべて椅子に座っている。「おお、病院行ったんか」といきなり大きい声で聞いてくる。状況を説明したら、一安心していた。
「おばあちゃんは、カズコさんは検査に行ったとかなんとかわけのわからんことを言うとったぞ。めんどくさいから、もう返事せんかった」と不機嫌な父。He is less patient with her than mother and me. 物忘れを本気で怒っていたら、こっちの神経がもたないのに。
そして、私は祖母の部屋に。「病院行ったけど、大丈夫だったよ。心配しないでって」と伝えると、きょとんとした顔をして、「なんのこと?」うーむ、ナイス、すっかり忘れている。「胃のポリープの話」と言うと、「あ、検査にいったんよね」と言う。「手術よ」「しゅじゅつ?!」と大声を出す。もう、完璧に記憶が真っ白になっているらしい。また一から説明をすると、「まああ、知らんかったよ。誰も教えてくれんかったよ」と大ボケをかます。「うっそ、忘れただけよ」とさすがに言い返したわ。昼間、父が、母は今日は広大の方へ行く、と言っていたので、友達に会うのか、何か習い事かと思っていたという。広大ってまたさらにニューアイテムが。「XX病院でしょ、広大じゃないよ」「ああ、そう?」という会話を3回した。ナイス。
明日の会話はどういう展開になるか。ある意味楽しみ。