ウサギらしい

野生のウサギがいるらしい。姿を目撃したことはないのだが、足跡を見つけた。別世界だ。ここは郊外ではあるが、田舎というのとはちょっと違う。住宅街である。なのにさすが自然の多いフィンランド、町に近くてもウサギが住んでるような森があるのね、と私は思うのだが、こんなものは森とは言わない、とPに笑われた。いや、十分茂ってますって。本物の森は夜に光など見えないという。まあ、そりゃ街灯はないだろうけどさ。
森ネズミというのだろうか。ちっこいやつ。あれは見た。裏庭のデッキの上を走っていったのを窓から見た。隣の壁との間に巣があるらしく、土が盛り上がっているところがあった。サーディーンの缶のベッドででも寝ているのか。指ぬきの椅子に座って、お茶飲んだり。あれは小人の世界か。好きだったなあ、子供の頃、小人の出てくる本。ガラスの小物入れなんか見て、自分が小人だったら、これをお風呂にしようなどと想像していた。
木の枝の上を走るリスも見た。写真を撮ろうと思ったが、ちょろちょろと逃げてしまった。リスはサンフランシスコやバンクーバーの公園で見たことがある。町の中でも住んでいけるタイプのリスなのか。アメリカ中西部を訪問したときも、普通の住宅街の庭でよく見た。「あ、リス!」と初めて見たとき喜んだのだが、家の住人に「So?」と言われ、リスが死んでるっていうなら見るけど、生きてるリスなんてめずらしくない、と言われた。
まあ、げっ歯類ならともかく、イノシシや猿は恐いな。フィンランドで裏庭にムースがいたら恐いな。高速で死んでるムースがたまにいるらしいが。「フィンランドじゃ、roadkillがムースなのかっ」と驚いた私。ぶつかった車も大破しているはずとPは言っていた。ま、でかいし。犬猫を轢いてしまうのとはわけが違おう。さすがにヘルシンキ近郊ではないんだろうけど。あったりして。