travellers, visitors, newcomersにとっては、バスよりも地下鉄の方がわかりやすいといつも思う。because it stops at every stop.駅の場所もはっきりしているし、路線図を見れば、どの電車に乗ってどこで乗り換えるのかなどというシステムも簡単にわかる場合が多いと思う。
フィンランドでは、地下鉄はヘルシンキに短い路線が一本あるだけらしい。バスと路面電車が便利だと言う。前回ヘルシンキに2週間滞在したときは、借りていたアパートが町の中心部で、徒歩でどこでも行くことができた。一度だけ、レストランの予約に遅れそうになったので、路面電車に乗って中心部に行った。一人2ユーロだったかな(今日のレートで275円。市内電車と思うと高い)。扉は車両の外についているボタンを押して自分で開けるタイプであった。自動にしないメリットはなんだろう。乗るかどうかわからないのに、いちいち扉を開けてやって車内の温度を下げたくない、ということだろうか。路面電車もバスも、降りる停留所がわかりにくいので緊張する。地下鉄であれば自分で降りる意思を示さなくても各駅に止まるし、降りる駅名さえわかっていれば問題なくget aroundできる。路面電車に乗ったときはPと一緒だったので、降りる場所は彼に頼っていて楽だった。
で、今日は一人でバスに乗った。それも郊外バス。Pの家はヘルシンキの隣のエスポー。ヘルシンキの中心部にあるKamppiバスセンターまで15分とかからないエスポー市の端っこなのだが、区域が違うので郊外バスとなる。料金は知らない、とPが言うので、自分でヘルシンキバス情報のサイトを見つけてルートやらなんやらを調べる。英語バージョンも作ってくれてありがとーっと感謝。郊外バスは固定料金で片道3.6ユーロという。495円。たかーっ!往復1000円もかけて、15分離れた町に行くのか。ユーロ高すぎ。tourist ticket(1日券とか)やトラベルカード(定期)でも買えば少し安くなるらしいが、そこまで頻繁にヘルシンキに行くわけでもないし、今回はシングルチケットですませることにする。
乗る停留所には、止まるバスの番号が書いてあるのでわかりやすい。あたしが乗るのは111番。Pのアパートから歩いて2分のところにある。20分おきにしか走っていないというのが痛い。逃したら寒い中立ってなきゃいけないじゃん。うう、これだから郊外は、と不満に思うが、落ち着け、不便というほど不便なことではないに違いない、と言い聞かせる。
おつりがもらえるかどうかもわからないので、しっかり3.60ユーロをにぎってバスを待つ。バスが見えたら、手を水平に上げて「乗りたいです」と意思表示をしなければ止まってくれない、と聞いたので、日本でタクシーをとめる感じで手をあげてみた。ちゃんとウィンカーを出して近づいてきてくれた。「うぉー、フィンランドのバスを止めたぜ」と思う私。
アメリカのバスと同じで、前側のドアから乗り込む。これは自動ドアだった。お金をどこに入れていいのかわからなくて、ここにおけばいいの、と一応英語でぼそぼそっと言ってみる。運転手はうなずいて小銭を確認し、なにやら機械をいじってチケットをだしてくれた。ああ、このチケットを持ってないと無賃乗車で66ユーロ取られるってことなのか。
午後3時くらいだったのだが、車内はがらがらにすいている。私も含めて3人。さみしー。降りるのは終点のバスセンターだから特に緊張感はない。15分もしないうちについてしまった。これじゃ、広島でうちから八丁堀までバスで出るのと変わらないじゃないか。広島じゃ190円だが。フィンランドでの生活は高くつくなー。
まだできたばかりというそのKamppiバスセンターはきれいだった。帰りはどこから乗るのじゃ、とチェック。電子掲示板に、バスの番号、出発時間、ターミナル番号が出ていてすぐにわかった。お店やカフェもあって、なかなか使い勝手がよさそう。地下にあるバスターミナルとしては、ヨーロッパで一番大きいらしい。立派。どこの出口から出ていいかわからないが、適当に歩いて出てみたら、見覚えのある店が見えた。同じ出入り口に戻ってこようと、あたりのlandmarksをしっかり覚える。
本当は美術館に行きたかったのだが、月曜日は休みのところが多いとわかっていたので、適当にウィンドウショッピングをしながら歩き回った。
ストックマンデパートの本屋ではがきとカズオイシグロの本を買った。looking forward to reading it. Never Let Me Go
帰りは無事にバスセンターまでたどりつくことができ、そこの本屋でまたbrowze. そういや小銭があったかなと思ったが、バスセンターなのだから、券売機があるに違いない、と探してみる。あった。一個。日本の駅のようにずらっと並んでいると思っていてはいけない。まあ、固定料金のバスだし。えー、でもフィンランド語。いや、表示を英語に切り替えることができるではないか。ありがたい。画面表示どおりにボタンを押していき、無事シングルチケット購入。
そのチケットをどうすればいいのかよく理解できなかったのだが、運転手にちらっと見せたらうなずいたので、そのまま席に着いた。渡すのではないのね。私の前に乗った女性は、運転席横の機械にトラベルカードを入れていた。なるほど、そうするのか。
5時を過ぎていたので、帰りのバスには仕事を終えた感じの人たちが大勢乗っていた。とはいっても、立つ人が出るほどではない。私の隣も空いている。やっぱり人口少ないのねえ、と思う。6時や7時ならもっと混むのかな。いや、でもこっちの人はほとんど残業しないってPが言っていたな。4時に帰る人もいるらしいし。あ、じゃあ4時過ぎのバスが一番混んでいるとか。
降りる停留所が緊張である。見慣れた道に来たような気がしたが、ランドマークとなるものといえば、白樺の森。どれも同じじゃんっ。割と頻繁に降りる人がいるので、辺りをきょろきょろと見ながら、アパートからは多少離れてはいるが、最寄のスーパーが見えてきたら降りるボタンを押してやろうと心の準備をする。だが、私が押すまでもなく他の乗客が押して、4人くらいの人が立ち上がった。彼らについて無事に後ろのドアから降りる。初めてのbus tripは成功。ちょっと達成感。言葉のわからない国で公共交通機関を使うって、結構緊張するわ。
ついでにスーパーに寄って、アイスクリームとチョコレートを買う。7,8分ほど歩いて帰宅。「バスに乗れたよー」と報告したいところだが、今日はPがロンドンに日帰り出張で、帰りは夜中になる。
と書いていたらヒースロー空港にいるPから電話。バスに乗ったことを言うと、郊外は不便だなんだとと文句を言っていたが、どうだったか、と聞く。はい、すみません、文句言ってました。だってしょうがないでしょう、広島では超便利な環境で育って、今も紙屋町まで歩いていけるところに住んでるんだからっ(地名がローカルすぎ)。まあ、不便ではなかったけど、バス代は高かったよ、と言うと、ああ、まあねと返答。フィンランドの物価高し。
さて、凍らしておいた餃子をスープにして夕食としよう。ああ、一人って気楽〜♪。