昨日行ったジャズライブでのこと。すばらしいピアニストですこぶる気分よく1stステージを楽しむことが出来た。その後の休憩時間中にむっさい若者5人組が店に入ってきて、ステージに一番近いテーブルに座った。休憩時間中は気にも留めなかったのだが、2ndステージが始まってもこいつらは話すのをやめず、やかましい。ピアニストがマイクで曲目の説明をするときには静かになるが、演奏を始めると話し出すという山猿ぶり。歓談の邪魔にならないような曲を奏でる、ホテルのティールームのBGMじゃないっつーの。
イライラしながらも演奏に耳を集中させようとしていると、「お前、ジャズって顔じゃないしな」という声が聞こえた。「ジャズって顔」がどういう顔かはよくわからないが、私の席から見える男が、ジャズじゃない顔というのは頷ける。ジャズだけではない、音楽って顔じゃない。ここで私の言う「顔」は、「顔つき」のことを指す。音楽を聴く顔というよりも、生ゴミを嗅いでるのが似合いそうな顔。彼の顔立ちを言えば、上顎前突しまくりのサル顔。上顎前突だからライブカフェに来るなとは言わないが、イライラしている私は「出歯はだまってろ」と心の中で悪態をつく。
どうもこの上顎前突男は、自分が場違いなところに来てしまったのがわかっていて、居心地が悪いのでしゃべりまくっているという感じもする。ものすごいパワフルなimprovがすぐそばで流れているというのに、話し続けるのである。野球の話などを嬉しげに話し、連れの山猿たちも所在無さげにchain smokeしながらしゃべり続ける。結局全員単なる酔っ払い。ちょうど彼らの頭上にはスピーカーがあった。あれがあいつらの頭に落ちないかなあ、と呪いをかけてみたが、私にはそのようなパワーはないことがわかった。

しばらくすると支払いをするためにウェイターを呼んでいたので、ほっとした。これで静かになる。演奏を楽しめる。ぞろぞろと店を出て行ったときには、心から清々した。話がしたけりゃ居酒屋で飲んでろ。

その後は集中して演奏を聴くことができてよかった。いやー、見事だったな、ピアニスト。