抜歯・非抜歯について、院長先生の話を聞いてきた。結局、it's up to meなのである。レントゲン結果を見ても、ボーダーラインケースなのである。今日の説明を受けて、2週間後の調整日のときまでに決めておく、ということで、私の宿題となっている。SIGH.

この間撮った顔写真を見ると(やっぱりテカってたさ)、横顔の口元が7ヶ月前の矯正開始前よりかなりブスであった。これは今あるスペースの中で重なっていた歯並びを揃えたわけだから、上下の歯とも出気味になったわけで、予想通りの結果ではある。とはいえ、下顎なんて以前にも増して引っ込んだように見えて、がっくりした。以前、「クロスバイトの倒れた奥歯が起き上がったら、多分、下顎が引っ込んで、下の歯は前に倒れると思う」と先生が言っていたが、その通りになっている。

横顔の線図を見ると、標準ラインと比較して、下顎の位置はかなり引き気味である。これを前へ出したいのなら外科手術だが、別に手術しなければいけないほど異常に引っ込んでいるわけではないという。まあ、顔が人それぞれ違うように、標準と比べればみんな違うわけで個性と言えば個性なのだが、もうちょっと上下の顎のバランスがとれた横顔が欲しい。となると、上を引っ込めるということになるわけで、すなわち抜歯となる。


抜歯する場合:
上は左右4番、下は左右5番の計4本。下も通常は4番を抜く場合が多いらしいが、私の場合は右5番が詰め物の入った歯なので、どうせならそれを抜いた方がもったいなくないということで4番はキープとなった。上の左4番もちょうど治療した歯なので、惜しくは無い。金属アレルギーの可能性も考えれば、詰め物が入ったものなんて取っ払っておいた方がいいという見方もある。

抜歯後は、上の歯をもう少し真っ直ぐにして後ろへ送り、下の歯は、顎がこれ以上引っ込んではいけないので、奥歯を前へ出す方向で調整するという。

今、正中線が左にずれているが、これも抜歯後の調整で真ん中に持ってこられる可能性があるらしい。

以前「2本抜くと引っ込みすぎるかも」と言われたので、その点はどうなのか聞いてみた。極端に引っ込むということはないと思うとのこと。ただ、年を取って歯がなくなってくると、口元が貧相な感じになる可能性もあるという。でも歯がなくなるって、ずいぶん先のことじゃないの。先のことであって欲しい。

抜いた後の隙間がぴっちり埋まらないケースがあると聞いたが、と言うと、歯ぐきや骨が硬くなっている成人だとそういう場合もあるし、下の歯は特に、奥歯が前に動きにくくて隙間が残る場合があるらしい。骨が前に向かって細くなっているので、大きな奥歯は前方に動きにくいそうな。くっ。それって、下の奥歯を前に動かすことになる私に当てはまる可能性があるわけよね。これとは別に、治療上の理由で、これ以上前歯を奥に送らない方がいいと判断したときは、隙間を人工的に埋めるケースもあるらしい。色々あんのね。

抜くとなると、治療期間はあと最低1年半はかかる。隙間がなかなか埋まらなくて、予定期間が1年以上伸びたというケースもネットで見たので、長期戦になることは覚悟せねば。


非抜歯の場合:
当然ながら、抜いた隙間を埋める必要ないので、治療期間は短くて済む(イコール毎月の動的治療費も抑えられる)。これは魅力的な利点ではある。

私の歯が大きいために今きちきちに並んで出気味になっているわけだが、抜かずに歯を削ってスペースを作るという手法は先生はあまりしたくないらしい。削ることのできる量は知れているので、私の歯の大きさを考えると、上の歯を後ろへ下げるだけのスペースが十分確保できるとも思えないとのこと。

右側だけインプラント矯正をして、正中線を右に持ってくるという方法もあるという。「でも、金属アレルギーかもしれないので、インプラントを打ち込む前にまずチタンに反応しないか検査が必要ですし、骨密度が低いので、ミシッって言っちゃうんじゃないかと」と言うと、「あー、そうか、そりゃーせん方がいいかもしれんねえ。何度も(ボルトが)外れるとまた大変だし。」との返答であった。うん、それにインプラント矯正って恐いんだ、あたし。歯の代わりに骨を固定源にするので、動かしたい歯にうまく力を加えることができて効果的らしいのだが、他に選択肢があるのなら避けたいなあというのが本音。

非抜歯だと、装置を外した後に後戻りする可能性が高いのではないのか、と聞いてみた。これは、抜歯してもまた崩れる人もいるし、非抜歯でも崩れない人もいるので、何とも言えないらしい。抜歯でスペースを作ったからと言って、二度と歯が重ならないとは断言できないそうな。そりゃ知らなかった。何にしても、リテーナーをまじめに着けるのが大切なようである。


今の気持ち:
8:2で抜歯寄り。

今は見た目の話で言えば、横顔ラインが不満というのが一番大きいので、それを改善するためには抜歯、という結論となる。先生は「日本人は口元が出気味の人が多くて、ガイジンさんには少ない。むしろ引っ込んでいる人が多い。」と、事実なのだろうが慰めにも聞こえることを言う。白人(イコールガイジンってのもなんだかね、だが)の患者例がたくさん載ったパンフレットを取り出して写真を見せながら、「それにガイジンさんは顎が出てるでしょ。日本人にはこんな横顔の人いない。」と説明する。もともと日本人としても顎のラインが弱い私が、顎のしっかりした「ガイジン」のような仕上がりになることは期待していない。口元が出ているのが気になるというよりも、上下の顎のバランスが今より改善できないかと思う。「しゃべってるときの口元を観察したんですが、英語を話すときは特に下顎が出てくる感じで気になってしまって」と言うと、ほうほうと頷く先生。「ブラケットの厚みを差し引いたとしても、今の唇の状態もちょっと。」と不満丸出しの私。「ま、全部選択肢を説明したので、うちに帰ってよく考えてから決めてください。」と先生は言いつつも、最後に「抜歯するのもいいかもね。」と付け足す。私の気持ちが抜歯寄りに傾いていて、でもそれが本当に良いのかどうか迷っているのがわかってのプッシュだったのか。「はい、今は抜歯したいと考えてます」と答えておいた。

結局、話の内容が横顔のラインに集中してしまったが、「最終的には噛みあわせが一番大切だから、そっちが優先になる。」と先生は言う。うん、ただ単に歯並びだけ揃えて終わり、なんていう医者では困るので、この言葉には安心した。

帰りに一般歯科に寄って、クリーニングの予約を24日に取った。前回から3ヶ月経ったので(already?!)ハガキが来ていたのだが、衛生士のAさんが書いたらしく「いつもきれいにしていらっしゃるので問題ないとは思いますが」と一言添えられていた。ナイス。抜歯について、彼女の意見も聞いてみたい。