大学の講義中に学生の私語が多くて先生達が悩んでいると、朝日新聞のASPARAクラブの記事に書いてあった。メンバーにならないと読めないのでリンクはしない。この現象は、テレビのせいだろうという記事。テレビを見ながら茶の間でべちゃべちゃとおしゃべりをする。相手がしゃべっていることもおかまいなしに、自分が言いたいことはすぐに口に出してしまう。それを講義中にもやるのだ、という考察。ふーん。

ある日本の大学の学科長から聞いた話だが、メリケンの英語講師が「相談がある」とわざわざ研究室にやってきて、授業中の学生のおしゃべりがひどいので、学科長から個別に注意してくれと言ったらしい。そんなことを学科長に頼みに来ることに苦笑してしまったとのことだった。私語が不快な問題であるのは事実だろうが、自分のクラスの学生の態度は、自分でコントロールすることであって、学科長に「言いつけ」にいくようなものじゃないでしょうよ。こういうふうに他人に問題処理を頼る腰抜けだから、余計学生にバカにされてんじゃないのかね。

私はアメリカの大学に行ったが、私の経験では、先生が悩むほど学生が私語をするなどあり得ない。考えられない。絶対無い。ひそひそ声で、今先生なんつった?くらいはあるだろうが、講義に関係の無いおしゃべりを周囲が気づくほど大きな声および長時間する学生など見たことが無い。例え講義に関係あることでも、少し長目にひそひそやってる学生がいたら、他の学生が静かにしてくれと注意する。別にいいこちゃんぶっているわけでもない。こういう学生の方が圧倒的大多数だ。

でも日本ではマナー違反とされるであろう、教室に飲み物を持ち込むというのは日常茶飯事だ。別に先生も何も言わない。先生も飲んでることあるし。さすがに何かを食べながら講義って先生は見たこと無いが。学生は何か食べている場合があるが(特に大きいクラスでは)、granola barとかちょっとしたスナックで、サンドイッチをむしゃむしゃなどというのは見たこと無い。

大学時代に「いいなあ、こういうの」と思ったのは、学期の最後の講義が終わると、学生が先生に拍手をするところ。敬意と感謝を表していて良いと思った。

一度、自然科学の先生が病欠で、別の天文学専門の若い先生がその日限りの講義を代わりにしてくれたのだが、それがまたおもしろくて、終わったときにはみんなで拍手をした。先生は、ちょっと照れた感じで「oh, thank you.」ともじもじしていた可愛かった。良いものは良いと相手に伝えて、敬意を示すところが好き。