著作権はタツノコプロだからね

上の傾いた奥歯7番に今までより強力なゴム(合成)をかけている。歯の裏から下側を通って表のブラケットにひっかけてあるので、噛むとゴムが下の歯に当たり、非常に噛みにくい。しめつけてますー、という感じの結構な痛さ。がんばってとっとと真っ直ぐなってちょうだい。

うちの医院では、医院到着後すぐに歯磨きをする、ということになっている。毎回、カルテ番号と名前のシールを貼った歯ブラシとカップ(これは使い捨て)が洗面コーナーに並べてある。
昨日の調整日も、いつもどおり洗面コーナーでシャカシャカやっていたら、小学生の女の子がお母さんと一緒にやってきた。「じゃあね」とお母さんは言って待合室に戻る。横目で見ていると、女の子は何をどうしていいかわからない様子。染出しの錠剤を手にとって袋を破っては見るものの、それをどうするのかわからないのか、しばらくキョロキョロして、「お母さん、ちょっと来て」と小声で待合室へヘルプを求めに行った。でもお母さん、何か言ったようだが来る様子はない。少女はまた洗面コーナーに戻ってきて、私の方に「教えて」という視線を送ってくる。おもしろい。鏡で視線があうと、「これどうすればいいの」と遠慮がちに聞いてくる。とりあえず染出しの説明も面倒だし、「それは捨てちゃえば」と言い(よかったのか)、水歯磨きを渡して「これでぐじゅぐじゅってして吐き出して、普通に磨くの」と教えた。彼女、ぐじゅぐじゅ、と本当に2回しかせず、歯磨きも20秒くらいで終わっていた。おもしろい。終わっても洗面コーナーから動こうとしないので、「あとで先生が名前呼んでくれるよ」と言ったのだが、うなづいただけで座ったままだった。私は待合室に戻ったのだが、お母さんが「ありがとうございました」と会釈をなさった。こうやって、子供に他人にものを尋ねさせるようにするって必要かもと思った。私が彼女の年齢くらいのとき、知らない人に何か聞かなきゃいけないなんて、緊張して声が出なかったかもしれない。そういえば、あのとき私、まだサングラスしっぱなしだったのよね。それもオレンジのレンズ。怖かったかしらん。

ブラケットの接着剤が乾くまでぼーっとしていたら、小学生の男の子が私の隣の診療台にやってきた。先生が「こんにちは」と挨拶すると、「ひさしぶりー」と答えている。友達か。小学5年になったと言っている。写真を撮る必要があったらしく、衛生士に「指名手配みたいなのいやだよ」と言っている。「はい、まっすぐ。口閉じて。歯はみせんでいいっつーに。次はにっと笑って。そうそう。次横向いて。だから笑わなくていいって。」と衛生士の指示も多い。クラスに一人はいるお調子者タイプの少年かと思っていたが、後で待合室で見たら、母親の膝を抱くようにしてゴロゴロしていたので驚いた。Isn't he too old to do that? At least in public? 日本はあまりにわかりやすいMama's boyが多くて常々気味悪いと思っていたが(社会人の息子の弁当作ったり、パンツ洗ってやってんじゃないよ、日本の母親)、その種を見たと思った。げー。