Kaye2004-07-10

HAの調整も済み、ワイヤーをその部分だけ通しなおしたら今日は終わり、のはずだった。院長先生は全体をチェックした後、「あー、うーん、下の倒れている歯にボタンつけてゴムかけたいんだけど、時間大丈夫?」と顔を覗き込む。えーい、ついでだ、I'm all yours, 何でもしてくれ、と「はい、お願いします」と返事。ミニーに器具の準備をするよう指示し、他の患者のところへ移動する先生。「まったく、もう済むかと思ったら、ほんまにねえー」とミニーいきなり広島弁

ゴムがけは、クロスバイトになっている歯を起こすのが目的。理論は実に明解。舌側に倒れている下の奥歯の舌側に、3-4mmくらいのリンガルボタン(画像参照)を接着し、頬側に倒れている上の奥歯のブラケットに交差するようにゴムをかけて、その力で歯を真っ直ぐに立てるというもの。

で、そのリンガルボタンの装着作業が苦しかった。下の一番奥の歯なわけで、salivary glandの近く。歯が塗れていると接着力が低下するため、乾かすためのバキュームを舌下にそのまま置いている。きゅーんと吸い込まれ続けると_痛い_。おまけに舌が歯にあたっては作業できないため、思いっきり横に押されている。これがもうextremely uncomfortableというか、もうpainfulの域。無理な姿勢を取らされている、という感じで、まるで舌のヨガ。ミニーは容赦なくぐいぐい舌を押すし、思わず彼女の手を払いのけそうになった。話せないから唸るだけだが、「That hurts, damn it!」と起き上がってミニーをはたきたい衝動にかられる。院長が戻ってきて「あー、これは難しいねえ」と気の毒そうに言う。舌がこういう位置に動かされていることが私にとって辛い、という意味だと解釈したんだが、単に自分の作業がしづらいという意味だったのかな。I don't know.

装着そのものは大して時間もかからず、「ボタン2つ付けといたからね」といって、先生またどこかへ行ってしまった。バキュームを取ってもらってやっと体の緊張がほぐれる。脂汗かいた。マスカラもにじんだよ、もう。

その後、ボタンをつけた歯とその手前の歯の間に、青いスペーサーが入る。こうやってスペースを作っておいたほうが早く起きるのだ、と先生の説明。ミニーが「ゴムかけますね」と再登場。直径6mmくらいの輪ゴムを見せてくれ、それを奥歯に引っ掛けるらしい。そんなちっちゃいので歯が起きるのかなあ、頼りないなあ、と思ってしまう。(だけど、これがまた強力で、結構痛いのであった。)

すべてが終わったところで、手鏡を渡され、ミニーがその日にした処置を説明してくれた。おー、白いブラケットだー、おー、ボタンくっついてるぞ、おー、ゴムがびよーんと伸びているー、と口内を見るのはワクワクしたが、手鏡に映る自分の顔に唖然。ヘッドレストがまだ下げてあり頭がのけぞった状態にあるため、頬の肉が目の方に垂れて、「オーマイガーッ、I am ugly」であった。ミニー、途中でヘッドレストを上げてくれたけど。見たくなかったな、自分のああいう顔。

で、作業終了。疲れたし、痛い思いもしたけれど、ちょっとhyper.
椅子から降りて初めて気づいたが、待合室も治療室も、学校帰りの中高生で埋まっている。がんばってるねえ、皆。

洗面コーナーに移動し、装置装着後の歯磨きの仕方のビデオを見る。うー、大変そう。でも虫歯にはなりたくないもんな。

その後、ゴムを自分で掛ける練習をした(食事中は外すため)。掛からない。大口開けて、鏡を覗き込んでやってみるが、なかなか引っ掛かってくれない。ミニーがときどき来て、「出来ますか。無理ならしたまま食事してもいいですよ」と言うが、いーや、やります、と粘る。院長まで出てきて「どう、できる?」と心配そうに来る。この人、いい人に違いない。象さんの形をしたツール(伸びた鼻の先にゴムを引っ掛ける)を手に持ち10分ほどがんばってやっと出来た。「あー、出来ました!」と達成感に満ちる私。ミニー「不可能かと思いました。」言葉のチョイス悪いわ、あなた。

3週間開けて、次は下の歯に装置をつける予定。わーい。