1st day upper

HAを装着後、ぶつぶつ独り言を言ってしゃべりづらさのチェックをしていたところ、「椅子倒します」と衛生士のミニー(de "Minnie Mouse."声がやたら甲高いのよ)。
口蓋につけてある金属の部分が取り外されるのがわかる。おー、楽。異物除去って感じ。その後、「すっぱい味のするものをつけますので舌があたらないようにしてください」と言われる。努力はしてみるが、ひー、すっぱい。It's VILE. 舌があたらなくても、水のスプレーみたいなのを口中にまきちらして、それをバキュームで吸い込みまくる、って感じの作業をしているものだから、口中すっぱい味が広がる。おまけに、口を横にびよーんと開くツールの下にもぐりこんだ液が、歯茎をやたら刺激して痛い。かなり痛い。すごく痛い。でも我慢してみる日本人な私。It may go away soon. It will go away soon. It'd better go away soon.と唱えてみる。

院長先生再び登場。しばらく歯にエアが当たる感じがする。優しい先生は「口大丈夫?」と気にかけてくれたので、ここぞとばかり「ひへひほはんひはふ」と訴える。「刺激を感じる?」さすがだ、先生。「ひひはふ」「しみる?虫歯があるのかなあ。」そんなはずない。数週間前に虫歯検診してもらったんだもの。「我慢できないくらい?」頭を横に振る。痛みを訴えたらなんだか楽になった気がしたのよ。単純な私。

作業続行。この時点ではブレースがつけられることを理解していない私。直後つーんと刺激臭がする。ん?接着剤?前歯になんか塗られている感触。ブレースつけてる?おお、I'm getting braces today?! 脳内で小躍り。脳内だと軽やかにタップダンスもできる私。もう歯茎の痛みも消えた。一時的なものだったみたい。

その後は大した不快感も感じず、上の歯すべてにブレース装着完了。次はミニーの出番。「これからブラケットにワイヤー通していきますが、先端が少し頬にあたってちくちくするかもしれません。」OK, nice, nice.先に説明nice. キリキリキリッとワイヤーの金属音がする。必殺仕事人で三味線の弦で殺す人がたてていた音(わかるよね、三十路以降の方々)。ペンチで切ったり、ねじったりしている。器用じゃなきゃできない仕事。「一度うがいしてください」と言われ、ぶくぶくするが、頬にワイヤーがあたってちょっと痛い。「頬にあたってる感じがします」と言うと、「まだそこは切ってませんから」とミニー。「あら、すみません。」となぜか謝る日本人Kaye。しばらくパッチンパッチンやっていたが、ついに終了。当然上唇にブレースがあたるが、不快な感じはまったくない。思っていたより口の閉じにくさもない。ナイトガードをはめた口元というのはかなり突出し、一昔前(今もか)のアメリカにおける日本人の風刺画という感じで醜いことこの上ないのだが、やはりあれは装置に厚みがある故のことだったのだなとわかる。当然、何もつけていない歯よりは少し盛り上がった感じにはなるけれど、大したことはない。I have a feeling I'll have a good time wearing bracesとポジティブな私。

続きはまた後日。