美容院でカットとカラーをしてもらってきた。
いつもの美容師のKさんにお願いした。安心して任せられるスキルの高い人である。
今日は、私がいまだにこだわっているM先生のことを話して、大盛り上がりで大笑いという時間を過ごした。周囲のお客さんには迷惑だったかもしれない。すみません。
「亡くなったことがわかって2ヶ月経った今もぼーっと考えるんです」「2ヶ月ぅ?!そりゃ、長すぎますよ。期限切っとかないと。」と的確なアドバイス。わかっちゃおるのだ。結局、暇なので、ぐずぐずといつまでも思い出に浸っているのである。
なぜこの話になったかと言うと、別の美容師さんが渡してくれた雑誌に、40代半ばの芸能人女性の特集があり、その中で「昔の自分に言ってあげたいこと」(自分に対して「あげたい」言うな)というのがあったのだ。
私がその質問をされたならば、20代の自分に「人にはもっと優しく親切に接しなさい」と言いたいととっさに思ったのである(30代と40代の自分にもか)。M先生が、何か落ち込んで、明らかにいつもとは違うwhinyな口調で電話してきたときに、21歳の私はひじょーーーに冷たい態度を取り、それを今更後悔している。「一体何があったの、お姉さんに言うてみ」と話を聞いてあげればよかった。こっちは散々甘えて、落ち込んだときにコレクトコールまでしたこともあるし、一度など「夜中3時でもいいから、電話していいぞ」とまで言ってもらったというのに(しなかったけど。悪いし)、傷心な様子の彼の話は聞かないって、どんだけ私は冷たいのだ。
「彼のメモリアルサイトに、赤ちゃんの頃からの写真が載っていて、若い頃がこれまたいい男でびっくりしたんですよー」と言うと、Kさんは手を止めて言う。「え?死んだ後に勝手に赤ん坊の頃からの写真をネットに載せられるとかあるんですか。絶対自分の写真は全部処分しとかなきゃ。」
確かに。
「で、その写真をダウンロードしてしまいました、私」「またもう、何やってんですか」
ほんと、何やってんの、である。ときどき見ては、哀しがったり、ニヤニヤしたりしているのである。「もう、しばらくパソコンを使うのやめたらどうですか」「ですよねえ」と笑うしかない。
しかし、Kさんに彼の話をしたことで、少し気持ちが晴れた。誰にも話さずにいると、心の中で大きく膨れ上がってしまう。自分のプライベートな話など相手には興味がないだろうから、と実際に会った人にはあまりしないし、しないからこそブログに書いて発散しようとしてみたりするのだが(だが、話の全貌は書いてない。テヘ)、今日のようにKさんに反応をもらいながら話をすると、客観的な意見ももらえるし、おおごとだと思っていたことが、大したことではないと思えたりする。
Kさんにこんな思い出話をすることは今までになかったのだが、話し始めると止まらなくなったのである。また、Kさんが聞き上手で、「それでどうなったんですか」などと言われ、次々話してしまうんだな。女友達とのおしゃべりというのを久しくしていないので、その感覚でしゃべってしまった。
店を出るとき、Kさんに「今日はおもしろかったですー。」と言われて、また笑った。
は〜、これからは、前を向いて生きていきます。