金曜日に家を出るときには雪が降っていなかったので、傘は持たずにニット帽だけかぶっていた。その後、フィンランド人も唸るくらいにかなりの雪が降り始めた。傘を持って歩くのは面倒なので、こういうときはフード付きのダウンジャケットを着ておくに限るということを学んだ。ニット帽の上に雪を積もらせながら歩くはめになった。屋内に入ると、雪がすぐに溶けて水になるので、入る前に雪をふるい落としておかねばならない。
傘があろうがなかろうが、かばんにも雪がかかるので、冬場はナイロン素材のものを使うべきであるということにも気づいた。ちょうどナイロンのものを持っていたので良かったのだが、もし革のショルダーバッグなどをかけていたら、びしょぬれになるところであった。
帰りにデパートに寄ったのだが、しばらく行かないうちにデパートらしくなっていた。ずーっと改装工事をしていたし、やる気の無いディスプレイの仕方に購買意欲もわかなかったが、以前と比較するとずいぶんきれいになっていた。とはいえ、売り場に店員があまりいないのと、商品によっては埃だらけのままというのは以前と変わりない。
フィンランド製のガーリックプレスを買った。絶対になくてはならないものではないが、あったらいいなと思うときがたまにあるのである。
その後薬局に行き、顔用の保湿剤を買った。乾燥しまくりで皮が剥けるのである。Pが皮膚科医にもらったという保湿剤を使っていても、である。そして、あごにはニキビがまだ出来てしまうという難儀な肌。四十路半ばにもなってニキビがまだ出るとは夢にも思わなかったね。しばらくスニッカーズを食べるのはよそう(そんなもん、食べるから)。スニッカーズは、キャンディーバーの王様だと私は断言する。キャラメル、ナッツ、チョコレートのすばらしいコンボ。あむっと一口噛むだけで、悲しいこともいやなことも忘れさせてくれる至福のときを過ごせる。アメリカの高校で寮生活をしていたとき、夜中にどーーーしても食べたくなって、一人小銭を握りしめながら、地下の自動販売機まで暗い廊下を歩いたことがある。夜の学校は怖い。自動販売機の音もやたらと大きく聞こえるし。小走りで部屋まで帰った。
But I digress. 保湿剤である。デパートと違って、薬局ではやたらと白衣を着た人が話しかけてくる。ずうずうしいガイジンになっている私は、当然のように英語で話し、相手も普通に英語で返事をしてくれる。ありがたいのう。乾燥するのにニキビもできるという私の悩みには、「だったらこれ」と一押しという感じでフランスのLa Roche-Posayの製品を薦められた。他の製品は、保湿をするか、acne-prone用でドライにするかのどちらかだが、この製品はオイリー肌にもドライ肌にもいいのだと言う。薦められるままに買ったのだが、帰宅してパッケージを見ると"Oily skin weakened by drying skin care products."とある。ちょっと私の場合とは違うような気がするが、まあ良い。2日使っただけでは、まだ剥けるところは剥けているが、使い心地は悪くはない。微香性なのだが、無香性ならもっとよかった。それにしても、パッケージが小さい。40mlしかない。私は17ユーロ払い、それでも高いと思ったが、日本の標準価格は3150円らしい。私も30代前半くらいまでは、デパートの化粧品を使ったり、エステにも行っていたが、それでも肌トラブルはあるし、あほらしくなったのでドラッグストアなどの安いもののみ使うようになった。ユーロ安の17ユーロとはいえ、久々に買う「高級」スキンケア製品である。

デパートでも薬局でも、脱着式のスパイクをつけている人を数人見た。フィンランド人なんだと思うが、白人の人達であった。屋内でも平気でそのまま歩いていたよ。かちゃかちゃという金属音がしたので、私も気づいたのだ。屋内では取るべきものだと思っていたのだが、あれでいいんだろうか。

角を曲がるときにころぶフィンランド人も見た。UGGブーツのようなブーツを履いている若いお嬢さんだった。以前、P娘が、あのブーツが流行っていると言っていたし、デパートでもディスプレイされていたのを見たのだが、ムートンといい、靴底といい、雪国仕様のブーツではないと思うのだがどうなんだろう。流行とファッションということで、皆さん履くのだろうか。

新しい雪も踏み固まれてツルツルしてきたので、3Dスペランを過信せず、あたしも脱着式のスパイク買おうかね。