ばあ様の夕食には、配食サービスを利用している。毎晩汁物が一品必ずついており、一応保温容器に入ってはいるものの、食べる頃には少し冷めてしまうので、母が電子レンジで温めている。注ぎ口のついた電子レンジ対応の容器がなく、マグを使って温めていたので、電子レンジOKの計量カップを買わないとなとずっと思いつつも忘れていた。マグだと、お椀に注ぐときにたれる。
ばあ様の夕食時間は17時半と早い。病院の夕食時間が癖になってしまった。しかし、部屋へ持っていってもすぐには食べないことがたまにあるようで、以前夕食後の薬を渡しに行ったら、部屋中に味噌汁の匂いが充満しており、こりゃー自分で電子レンジにかけたに違いないという状況だったことがあった。電子レンジ対応のお椀じゃないのに。
そこで急いで電子レンジ対応のお椀を買った私。最近は、電子レンジや食洗機対応でも、変にプラスチックっぽいわけでもなく、お椀らしい良いのがあるよね。
で、私の頭の中では、ばあ様が電子レンジにお椀を入れることと、母が味噌汁を温めてから出す、ということが別々のファイルとして保存されていた。今日、母に「注ぎ口のついた計量カップをネットショップでオーダーしといたよ」と報告。母は不思議そうな顔をし、「この間もらったお椀に入れて温めてるけど」と言う。
はっ。そうか、ばあ様がそのお椀を電子レンジに入れても大丈夫ということは、母が入れても大丈夫なのである。何もわざわざ計量カップで温めてからお椀に注がなくとも良いのである。
こういうミスをすると、私は天才かと思う。
いや、子供の頃読んだアイザック・ニュートンの逸話を思い出すのだ。猫をたくさん飼っていた彼が、ドアに大人の猫用の大きな出入り口と子猫用の小さな出入り口を2つつけた、天才なのに大きなのが一つあればいいことに気づかなかったのだ、という内容であった。たぶん。
あたしの話とは、ちょっと違いますかね。
計量カップはあたしが使うからいいわ。