再根管治療開始。
1時間以上かけてやってもらった。元々の根管治療をした、経験豊かなT先生であれば、ガガガーッと穴をあけてグリグリと中を掃除して、はい終わり、と長くても15分くらいであった。まだ若いI先生は経験が少ないという理由で時間がかかるということもあるだろうが、すべての工程を丁寧にやってくれていると感じた。
衛生士はおらず、若い仲間がそばで待機して、必要な道具などを取りに行ったりしていた。
T先生のところと違うのは、大学病院ではラバーダムを使うことである。滅菌のため、治療する歯だけ出して、後はゴムのシートでカバーをするのだ。日本の保険点数制度では、なぜかラバーダムは無料になってしまっており、それゆえ、開業医では使わない医院が多いそうな。そりゃ、これをしていたら治療が確実に成功するというわけではあるまいが、患者側としては、できるだけ感染しない環境にしておいてほしい。そもそもね、医師や衛生士がする手袋だって、自分達を感染から守るためという考えで、患者ごとに変えない人達もいるくらいだからね。手袋しない人だっているくらいだし。これはやっぱり絶叫ものだろう。
で、初ラバーダムであるが、私の歯の形状のせいか、固定する金具がすべって装着できなかった。一度うまくいったと思ったら、すぐに外れた。しばらくI先生はがんばっていたが、先輩の医師にヘルプを求めに。先輩医師は、ゴムを歯にひっかけて装着。これがどれだけのテンションに耐えられるかわからないが、これでだめなら小臼歯に金具をひっかけてどうたらこうたらとアドバイスしていた。
ラバーダムをしたら、治療が終わるまで口を開けたままである。私は前歯の治療なので、それほど大口を開けておく必要もなく、その点は楽であった。唾液をバキュームで取ってくれるわけではないので、そこがちょっとすっきりしなかったが、まあ、仕方あるまい。
次回は1週間後。本日は600円也。うーん、こんなに安いから、開業医は使い捨てのツールなんて使っちゃいられないよ、と思うわけか。
さっき、ラバーダムの絵を探すために検索をかけたら、同じサイトで根管治療を大学病院でするのは薦めないと答えている医師がいた。見るんじゃなかったわ。結局、この間教授先生が言ったとおり、医師は若いし経験が少ないからということらしい。開業医で、必要な滅菌処置はすべて行いながら根管治療を丁寧に確実に行うとなると、結局自由診療しかないと言っていいわけよね。すると、1根管につき10万円くらいかかるって話になる。おかしくないかい、この差は。
以前T先生が、フィンランドは歯科学では世界一と言っていたので、とっととあっちへ移住して、あちらでその世界一とやらの技術で治療してもらえばよかったのかな。まあ、料金は知らないけど。数年前、初期の虫歯の治療だけでもPは100ユーロくらい払っていたから(でも後で少し戻ってくるらしい)、日本の保険治療よりは確実に高そうだ。日本の保険治療費が安すぎるってこともあるだろう。困るなあ、こんな制度は。
I先生は確かに若いし、それゆえに経験も少ないかもしれないが、質問すればちゃきちゃき答えてくれるし、患者として不安感は無い。教授の言っていたように、勉強会もするから一人で診るわけではないという話だし。
とりあえず、ネットで情報を検索することはやめる。