ばあ様が腰をさすりながら、「ああ、腰が痛い。まあ、90過ぎれば色々故障も出てくるよね」と笑う。「あたしも40過ぎたけど、胃が弱くなったりとか、何かと以前のようにはいかないよ」と言うと、ばあ様は半分口を開いたまま、私をじーーーっと見つめる。これは私の年齢に対する反応だと直感。「今、43よ」と指で4と3を示しながら答えると、「そんなことはないでしょ」とあっけに取られているばあ様。そんなことはないっつったってね。
「43だってば」ともう一度言ってみたが、「嘘でしょ」と信じようとしない。「嘘じゃないって」と笑うと、突然取り繕うように「でも、やっぱり若いから肌にはりがあってツヤツヤしとるよ。だいじょうぶ」と慰められてしまった。ツヤツヤというのは、本当はテカテカなのだが、訂正するのも面倒なので、「そりゃどうも」と答えておいた。
おそらく、孫が43ということにショックを受けたとともに、43なのに未婚ということに軽く動揺したのではないかと思われる。Pが訪日時に紹介もしているのだが、記憶に残っていないようだ。忘却の彼方に追いやられたP。