昨日は関西弁のスウェーデン人Eさんとランチをご一緒した。ランチとおしゃべりで夕方までには二人とも帰宅するつもりだったのだが、「今何時?」と時計を見たら、既に午後7時で本気で驚愕した私達。早くから暗くなるので、時間の感覚がわからない。せいぜい5時くらいだと思っていた。どうせだから、じゃあ軽くサンドイッチでも食べるべ、とお互い家に電話をして帰宅がさらに遅くなることを報告。ひさびさにおしゃべりをたくさんして非常に楽しかった。まさにストレス解消。
一つだけものすごく嫌なことがあったのだが、Eさんと一緒にいて、その後も楽しいおしゃべりで盛り上げてくれたので、血管が切れるほど腹を立てることもなく、やり過ごすことができた。ありがとう、Eさん。
状況を説明する。こんなことをする輩がこの世に存在するのか、と大半の人は驚くんじゃないかなという話。カフェでコーヒーとケーキをオーダーしようとしていたときのこと。店員は一人しかおらず、Eさんが注文したカフェラテもその店員が作るため、少し時間がかかっていた。私はケーキの並んだウィンドウの前に立って、どれにしようかな〜と迷いながら自分の番を待っていた。突然、お尻に何かが当たる感触があり、え?と思う間もなく、そのまま強く押されて私は数歩歩かざるをえなかった。振り向くと、携帯電話でフィンランド語を話している男が、持っていたお盆で私のお尻を「どけ」とばかりに押していたのである。あまりの無礼さに言葉も出ずにあぜんとする私。男は携帯で話し続けながら、私を見ている。あんまりアンビリーバブルな状況で、「これは現実なのか」とまず思い、その後、押されたと思ったのは私が勘違いしたのか、という考えが頭をよぎった。だが、少し離れたレジでラテが出来るのを待っていたEさんも見ていたらしく、すぐに走りよってきて、日本語で「この人、しんじられへん!おかしい人かもしれんから、無視したほうがいい」と言った。やっぱり現実に私はお尻をお盆で押されたのね。
その後も何も知らない店員はEさんのケーキの用意をしたりと、さらに私は待っていなければならなかったのだが、その間、ふつふつと怒りがこみ上げてきて、ずっと携帯で話し続けている男に向かって、"I haven't made my order yet"と憤慨して言ったが、英語が通じないのか、単に無視していたのか、男は携帯を置くことなく、私を睨みながら話し続けていたので、おとなしい性格ではない私もしばし睨み返した。
やっと私が注文する番になり、動揺していたのだが普通に注文をした。今から考えれば店員に報告すればよかったのだが、店員も若い女性だったし、Eさんの言うとおり、危険な男だったらまずいし、こちらもさっさと注文してこの男から離れたかったし、「野蛮人は相手にしません」という態度でケーキと飲み物を受け取って、Eさんが取っていてくれたカフェの奥のテーブルへ向かった。
ただ、かなりアグレッシブな部分もある私なので、あのお盆をぶんどって、頭をなぐってやればよかったとか、店員が私にラテを渡した時点であの男にぶっかけてやればよかったとか、色々思ったりもしたのであった。
「痴漢行為」というよりも、「邪魔だからどけ」という行為だったが、どう考えても私は邪魔になるようなところには立っておらず、本当に押された意味がわからない。というか、邪魔になっていたとしても、お盆で人を押さないでしょ、文明人は。
このような出来事を書くと、フィンランドではこういうことが起こると解釈されそうで、それは困る。明らかにこの男個人が異常レベルに無礼なだけである。まあ、それがわかっていても、さすがにかなり驚いたけどね。