昨夜はPの叔母Vさんの家にお邪魔した。彼女の娘さんで大学院生のAさんも遊びに来ていて、4人での夕食となった。
事前に「Kayはlutefiskを食べるだろうか」とVさんからPに質問があった。聞いたことがなかったのでそれは何かとPに聞くと、「自分も詳しいことは知らないが、白身の魚に何かをほどこして妙な味にした料理だ」と言う。なんだよそれは、と自分で検索してみた。
Wikipediaの説明によると、乾燥タラをアルカリに漬けて処理したものらしい。ゼリーのような舌触りになる、というくだりで不安を感じた。日本語で検索すると、本当にこれが食べ物なのかとか、まずいとか、くさいとか、散々な感想が目に付く。ますます不安を感じながらVさん宅に到着。
Vさんはちょうど魚にかけるホワイトソースを作っているところであった。いつも豪快で明るいVさんは「初めてlutefisk作ってるのよ〜。ホワイトソースをかき混ぜなきゃいけないから、ハグはあとでね〜」と笑う。初めてでしたか。Pは「Kayは不安がって、ネットで色々調べていたよ」と報告。Aさんは「私はここ10年ベジタリアンだったから、この料理が何か知らない。Kayの方がきっと詳しいわ」と言う。食べ物とは思えないって書いてあったとはさすがに言えない。
「何日もかけて魚を準備するんでしょう」と私が言うと、Vさんは「really?」と言う。魚自体は既に処理された状態のものを買うらしい。そうか、自宅で何日もかけてアルカリ液に漬けて処理するなんて大変である。納豆を自分の家で作るのと同じ感じか。
Wikipediaの写真にあるように、見た目はタラをゆでた感じで恐くはない。40分間、オーブンで火を通すらしい。「できたわ〜」とVさんがタラを入れたお皿をテーブルに置いたが、何のにおいもしなかった。「さてさて、味はどうかしら。interestingな展開になりそうだわ」と豪快に笑うVさん。私はにおいがないことに安心して、「おいしそう」と言いながら、自分のお皿にタラを取った。ゆでたじゃがいもを沿え、ホワイトソースをかけ、「しっかり黒コショウをかけろってレシピに書いてあった」と言うVさんに従い、がりがりとコショウを挽いた。じゃがいもとまぜて一緒に食べるのよということで、まぜまぜして、勇気をもって一口目。
おいしかったよ。
確かに食感はゼリーっぽくてプリプリしているが、卵の白身くらいのプリプリ度である。私はもっとブヨブヨしているのかと想像していた。臭くもない。黒コショウが効いたホワイトソースとよくあう。全然問題無し。
「これはファーストコースで、次はロースとビーフだからね」とご馳走を用意してくれていた。かたじけない。
いつものごとく、皆さんの英語力に頼り、楽しいひと時を過ごした。フィンランド語より、スウェーデン語を勉強すべきだなと本気で思う今日この頃。PとVさんたちがスウェーデン語で少しやり取りしているのを聞いていると、英語に似ているのでなんとなくわかることもある。帰国したらホコリをかぶっているスウェーデン語のテキストを出そう。