夏が近づき、というか、もう充分蒸し暑くて力の入らない日々だが、虫の季節ということで私は恐怖におののいている。大体、ニュースでもカブトムシの話題や、「夏はすぐそこまで来ています」などという台詞とともにいきなりセミの抜け殻のアップなどが写るので油断ならない。
虫全般が恐いし嫌いな私ではあるが、なぜか小さいクモであれば平気である。全然恐くない。ただし、小さいのに限る。足の長いようなやつは絶対ダメであるが、ここらへんで見るのは、ちっこい灰色みたいなやつである。この間玄関で一匹見つけたが、放置している。さっき洗面所の壁に移動していた。「こんなところまで来たのね」程度の感想しかない。なんという寛容さ。すべてにおいてこの寛容さがあれば、もう少し生きやすかったかもしれない。

とはいえ、この小さいクモが集団でいたら話は別だけどね。あ、いやだ、想像してしまった。