昨日行ったAhvenistoは、1967年に作られた、フィンランドで一番古いサーキットらしい。整備士として同行したVさんによると、プロのレーサーでも最も難しくて危険なコースと言ったことがあるくらい大変なコースらしい。そんなとこ走らんでくれ、と内心思う私なわけだが、恐くても走らずにいられないのが車好きな人達なのだろう。オートバイ、ポルシェとかのpublic roadも走れる車(こういうカテゴリーはなんていうんですかね)、フォーミュラの車が結構集まっていた。サーキットのすぐそばには家々が立ち並び、Vさんが言うには、音がうるさいので早く閉鎖して欲しいと思っている人は多いらしい。まあ、そうだろうなあ。私だって嫌だよ、一日ブンブンキキーって音がしてたら。
 サーキットと町の様子。
このサーキットには森と丘がある。上の写真は、丘に登って撮ったもの。見学者は、丘の反対側では何が起こっているのか見えない。最初、私はサーキットのデザインを知らず、Pがなかなか帰ってこないのではらはらした。平坦で遠くまで見渡せるサーキットしか知らなかった私には、まさか丘の向こう側まで道が続いているとは思わなかったのよ。おまけに丘の上には、スキーのジャンプ台がある。

 廃墟だった。
 
 着地するところ。
 見上げてみる。
高いところが苦手なので、最後の二枚を撮るときは足がすくんだ。
車のことは全部Vさんがやるので、初めはバンの中で本を読んでいたのだが、人が働いているときに何もしないと落ち着かず、moral supportだけでも、と外に出た。しかし暇なので、タイヤなどの温度を測る機械で手の温度を測定。

 やはり指先が冷たい。
最初のラップを走ってきた後、「ミラーを拭いてくれ」と仕事を仰せつかった。
 これで拭く。
夜に降った雨で道路が濡れていたので汚れたらしい。
その後は写真を撮ったり、本を読んで過ごした。サーキットというところは、エンジンの音がうるさいので、Pに耳栓を借りるのだが、これがまた自分の世界に入るのになかなか役立つ。耳栓をして本を読むとえらく集中できることに気づいた。
 聴診器のように耳にかける。
エンジンの音もうるさいが、P自身が耳栓をしており、本人も周囲も大声で話すので騒がしい。初めてサーキットに行った頃は、Pに怒鳴られているのかと思い、怒鳴るな、と怒鳴り返していた私である(負けない)。
途中、Pがサーキットに出ている最中、突然辺りが雨雲に覆われ、「雨かな」と思った瞬間、すごい勢いでバラバラとあられが降ってきた。
 椅子の上にたまる霰。
氷の塊が降ってくる感じで、本気で驚いた。レインタイヤをつけていなかったPも他の車もすぐに帰ってきて、結局そのスロットは走れず仕舞いであった(フォーミュラ、ポルシェ他の車、オートバイを20分ずつのスロットに分けてある)。Vさんは、フィンランドの典型的な天気だと言っていた。あられなんて、私の人生で3、4回くらいしか遭遇したことないかも。
サーキットに来ている女性を見ると(私のほか、3人しかいなかったが)、皆さんピンヒールにぴちぴちのパンツ姿で、小型犬なんか抱いていたりして、私のようにジーンズにスニーカー姿でミラーを拭いたり、部品を渡したりして手伝っている人はいないようだ。そうか、やはりオンナオンナした格好をするものなのだな。今度そうしてみよう。ピンヒール、買わないと。
走っている車の写真が一枚もないのもなんなので、ポルシェチームの様子。

この人達は、立派なトラックにタイヤや部品などを積んで(もちろん電動リフト付き)、何人もチームメンバーがいて、オーナーはさぞかしお金持ちなのだろうという感じであった。差、つけるね。

難しいコースということで、いつもにも増してへろへろになったP。そして今日は仕事。週末はまた別のサーキットへ行く予定。遠いのに日帰りということで、夜中の3時に出発するとか。あたしゃ同行はしない。ほんっとうに好きじゃないと出来ない趣味だ。まあ、P自身も「なぜこんな疲れることをしているのかわからない」と言うこともある。私もわからない。