ドタバタでふと思い出した。昔、テレビでイングリッド・バーグマンの「追想」を見た翌日、派遣先の会社で「昨日、バーグマン見た?美しいよね〜」と映画好きだという隣の席の女性に言ったら、「ちょっとだけ見た。ドタバタだったからやめた。」と言うのだ。「え?”追想”よ、イングリッド・バーグマンユル・ブリンナーの」とかなり驚いて答えたが、「うん、ドタバタでしょ。」と自信を持って答える彼女。「ロシアのアナスタシアの話だけど。バーグマンがオスカー取った・・・」とあたふたしながら説明するも、いったいどの場面を見たらあの映画を「ドタバタ」と判断できるのかにえらく私は混乱し、一人であせっていた。普通の人との会話なら、こちらの疑問点をつっこめるのだが、彼女の場合、自分が間違っていたり、反論されたりすると貝のように口をつぐんでしまい、話が続かないことを経験上知っていたし、なんでか知らぬがあのときの私は非常に動揺していた。あの映画をスラップスティックと感じる彼女に恐怖を感じていたのかもしれない。

I mean, who would title a comedy "追想" anyway?