電話が鳴る。知らない番号。携帯電話だ。宅配が来る予定だったので、もしかして業者かもしれないと思い、受話器をとる。
ウメコです」(仮名)と50、60代くらいの声の女性。「・・・何番におかけですか」「え?」「お間違いのようです」「あら、ごめんなさい(ガチャ)」
数秒後、また電話が鳴る。だから何番にかけたいのか聞いたのだ。「はい」「あらぁ」「何番におかけですか」「え?だって。そちらは何番?」「何番におかけですか」「ええっと。082」沈黙が続く。切れたのかと思い、「もしもし?」と言うと、「はい」と返事。「その続きはなんですか」「XXX」「うちの番号ではありません。掛け間違えてらっしゃいます」「あら、そーお?」あたしから切る。
数秒後、また鳴る。えーかげんにせー、というトーンを思いっきり声に出して「はい」と出る。「あら」「ですから、番号を押し間違えてらっしゃいます。先ほどおっしゃった番号はうちの番号ではありません」「坂本さん(仮名)のお宅じゃないの?」「違います」「あら」あたしから切る。

馴れ馴れしい口調の間違い電話ほど神経に障るものはないな。

去年、留守電に何度も何度も坂本さん宛のメッセージが残っていたことがあった。あれもこの人だったのだろうか。偉そうな口調で、「大変なお願いがあります。折り返し電話してください」と吹き込んであった。「大変な」を「たーいーへん」と強調してゆっくり言っていた。留守電にこんな不気味なメッセージ残す人がいるんだ、と驚いたのでよく覚えている。

やっぱり知らない番号からの電話は取らないことにしよう。