昨夜は、フィンランド国立オペラハウスにて、ロッシーニ"La Cenerentola"を鑑賞。シンデレラですな。でも、意地悪な継母ではなく、継父。ひどい俗物である。あらすじはここ
私にとっては、初のオペラ。土曜日ということもあって、満席。ドレスアップした人が多いが、中にはちょっと気の利いた普段着、という人もいた。私は、こういうイベントではちゃんとした格好をしたい方である。楽しいじゃん。ま、イブニングガウンってわけにはいかないが、日本の結婚式の披露宴に行けるくらいの格好(って、これもまた曖昧な言い方か。ドレッシーな紫のワンピースに黒のベルベットのジャケット)。そういえば、それこそ日本の披露宴でよく見る、スリーブレスのワンピースにパシュミナのストール、というスタイルの人は、オペラハウスでも何人か見かけた。Mちゃんは、可愛いピンクの膝丈チャイナドレス。きっと私たちを見た人は、私を中国の人だと思ったに違いない。
オペラはなかなかおもしろかった。すべてイタリア語だが、舞台上のボードに、フィンランド語と英語の字幕が表示される。私たちの席は1階の真ん中辺りだったのだが、眼鏡をかけても目をsquintせねばよく見えなかった。新しい眼鏡買わねば。あの席で見えないってどういうことだよとPは驚いていた。私だって、そんな自分の視力低下にびっくりだわ。
Finland-SwedeであるPに言わせると、「国立」オペラハウスならば、スウェーデン語の字幕も表示するべきだとのこと。That makes sense. 他は何でもフィンランド語とスウェーデン語の二ヶ国語表記なのに。それにしても英語の字幕を出してくれるというのが、非常に親切である。心からありがたい。英語はそのままでいいから、もっとボードを大きくして、3ヶ国語出すべきだとPは言う。そうなれば一番いいですな。
で、今回のチェネレントラだが、ちょっとsuperficialなことを言わせてもらうと、王子様がかなり小柄な人で、王子のふりをする従者の方がたくましくて王子様のコスチュームが似合っていた。二人の服のサイズが同じなわけないので、服を取り替えるという設定が「無理でしょ」と思ってしまった私であった。そんなつまらない現実的な見方をしてはいかん、と自分でも思んだけどさ。歌は上手だったよ、王子様。だからこそ王子様役に選ばれたんだろうが。
最後に全員が揃って舞台でお辞儀をするとき、オーケストラの指揮者も舞台に上がってきたんだが、その人がまた更に小さい人であった。驚くほどに。
って、人のサイズのことなんかどうでもいいんだけどさ。すみません。皆さん、才能のある方でした(フォロー)。
最終幕で、チェネレントラが意地悪な継父と姉二人を許すわけであるが、それを見ながら、「そりゃ、プリンスゲットで、許す余裕ができたからでしょ」と思ってしまった私だった。あくまでもひねくれている。「従者のふりしていたプリンスを好きになったわけで、従者のままでも彼女は結婚してただろうよ」とPは言うし、それはもっともだとも思う。「でも、”従者と思ってたら、実はプリンス?!ラッキーっ!”とか思って、"I won! Yaaaay!"って内心ガッツポーズとか。」「シンデレラはそんな風に考えんだろっ」まあね。人を許すことがあまり得意でないもので、ついひねた視点から見てしまいました。寛大な心を持ちたいものだわ。要修行。