私は調べ魔である。何か気になることがあると、ネットで調べまくる。最近調べに調べているのが、宮島の宿についてである。Pが冬の休暇のときにうちに来ることになり、また宮島に行きたいというのだ。去年は錦水館お昼と温泉がセットになった日帰りプランを楽しんだが、今度は泊まりたいとPが言う。とにかく日本風なところ、というのがPの要望。そういうところは私も縁がないので、調べるしかない。
宮島ではないが、その対岸にある石亭がすこぶる評判が良いようである(このサイトはゲージツ的過ぎて、どこをクリックしていいかわかりにくくて使いづらい)。が、半年先まで予約が埋まっていると聞いたことがあっただけあり、キャンセル待ちとなる。サイトに載っていた写真をPに見せたらその気になっていたが、人気のところだから部屋がない、と言うと落胆していた。口コミを検索してみると、大半の人が宿も料理も絶賛しているが、一人だけどこかの旅サイトで、期待はずれだったと嘆いている女性がいた。ま、you can't make everybody happyだし、これだけ大多数がいいというなら、いつかは利用してみたいとは思う。
大体私は旅館というものをこれまで敬遠してきた。自分の部屋に仲居さんが何度も出入りするというのが煩わしく、もっとあっさりしたサービスのホテルの方が好きである。去年、錦水館を選んだのは、日帰りプランがあったからというのも大きいが、サイトで以下のくだりを読んで決めたのである。

旅館独特のわずらわしさをなくしました。
客室でのお茶出しのサービスはございません。
ご自宅感覚でのんびりお過ごしください。
また、当ホテルはスタッフへのお心付などのご心配は必要ございません。
安心してご利用ください。

わかってるじゃない、あなた方!と嬉しかったわ。確かにべたべたしない、でも感じの良いサービスで良かった。
Pは温泉のある旅館がいいと言う。となると限られてくる。錦水館はもう去年行ったからどうせなら別のところをと思い、プランが豊富な弁天の宿じゃらん楽天からでも予約可)、老舗高級旅館の岩惣(じゃらん楽天に載ってはいるが、そんな一般人の使うサイトからの予約は許されていないようである)のどちらかにしようと、評判を調べてみた。

弁天の宿は、貸し風呂があるところがポイントが高いし、岩盤浴と貸し風呂が無料になるというバースデープランというのがあり、12月が誕生日の私はこれが利用できるではないか、と喜んだ。楽天トラベルやじゃらんのクチコミも概ねポジティブである。では、外国から来た客はどういう感想を持ったのか確認を、と今度は英語で検索。ここではあんまり評価がよくない。ま、文句言ってる内容も、お茶が欲しいかも聞かずにコーヒー持ってきたとか、リフィルを頼んだら別料金だと言われたとか、日本じゃ「普通」の不便なサービスについてなので、あまり参考にならん。Japanese Guesthousesのレビューでは、4.2 out of 5となかなか。ここでは、褒めまくりである。文句言ってた人が泊まった旅館と同じですか、というくらい絶賛している。「ま、こんなもんじゃないの?」と思い、Pにサイトを見せたら、「ホテルじゃないか」と言う。「旅館だよ」と言っても、「モダンすぎる」とごねる。石亭の写真を見て、もっと純和風な建物に泊まりたいという気分が盛り上がっていたらしい。
ならば岩惣なら文句ないだろう、と写真を見せると、目を輝かせる。評価の方も、さすが皇族、政治家、文豪のお歴々が泊まってきた宿だけあり、サービスが第一級とか、雰囲気が最高とか、褒めている人が多い。英語のレビューでも、軒並み評価が高い。Japan Gueshousesでは、4.6 out of 5。ここでも、"Perfection," "you must stay here"なんて大絶賛の人たちもいる。もしPが日本語が話せるとすると、「ここー、ここここ、絶対ここー」と言う感じで岩惣にすると言う。部屋も、1981年に建てた新館ではなく、昭和初期の本館が良いという。ここに泊まった日本人のブログで、老舗だけあって「設備が古い」と書いていた人がいたのでどうかなあと思ったが、そういうアンティークな雰囲気がいいのだ、と譲らない。そりゃ、離れに泊まれれば最高であるが、こういう贅沢は何か特別な機会じゃないと。
ということで、岩惣に決定。部屋についたら、お茶入れてくれて、もみじ饅頭出してくれて(明治時代のここの女将の考案らしい)、食事も部屋に持ってきてくれて、布団の上げ下げもしてくれるということなわけね。こういう、上げ膳据え膳にうっとり、という人も多いとは思う。私もポジティブに捉えることとしよう。泊まった後にまた感想を書く。