Pの20年ものの車がついに動かなくなり、いつもは自分で何かと修理する彼の手にも負えず、ずっと修理屋に預けている。もう1台のスポーツカーは二人乗りな上に、荷物を置くようなスペースはほとんどない。だが、フィンランド到着日、どうしても迎えに行くと言うP。スーツケースはどうすんのよ、と言うと、タクシーで運んでもらおう、と言う。なんという無駄。いいよ来なくて、あたし一人でタクシーで家まで行くから、と言うのだが、迎えに行きたいと聞かない。いや、そりゃありがたいよ、そのお気持ちは。だが、スーツケースだけ運ぶためにタクシーってあなた。宅配があればねーとつくづく思う(ビバ、日本の物流システム)。
で、結論。Yellow Cab(乗り合いタクシーっていうのか。固定料金で何人かとシェアするタイプのタクシーで、普通のより安い)で、スーツケースだけ運んでもらった。20ユーロ。切ない。(普通のタクシーならうちまで45ユーロくらい。)
Pが空港に到着する前に私はすでに税関から出ていた。Pに電話をすると、Yellow Cabの人にいくらでスーツケースだけ送ってくれるか聞いてみろと言われたので、「なんか恥ずかしいんですけど」と思いながらも、カウンターの兄ちゃんに状況を説明。私のリクエストを聞いて納得した(ようにうなずいた)後、ドライバーか誰かに連絡をしたところ、Pのアパート方面へのタクシーは今全然ないのでだめ、と言った。Pがロビーに到着したとき、「タクシーがないんだってさ」と伝え、ならば普通のタクシーしかないな、と空港を出ようとしたのだが、「ちょっと自分が聞いてみる」とまたYellow Cabの兄ちゃんにPが話に言った。そしたらだね、「OKだって」と笑いながら帰ってくるではないかっ!タクシーないんじゃなかったの、と言うと、"It was a misunderstanding."と言う。一体何がどうmisunderstandingだったのだ。Pも「あのカウンターに兄ちゃんは、人の話を聞いていない」と言う。Pが状況説明しているとき、たまたまカウンターに寄ったドライバーのおじさんが、自分が運んでやる、とPの話を理解してOKしてくれたらしい。最後まで兄ちゃんは理解できていなかったらしい。(まあ、理解しがたい状況ではあるとは思うが。でも、わかったふりすんなよ。)
スーツケースだけを乗せたタクシーは、私とPよりも早くアパートに着いていた。"You beat us!"と運転手さんに言うと、タクシー専用のレーンを通れるので早くこれたよ、と笑顔のおじさん。この国はみーんな英語を話すのよね。変なリクエストなのに運んでくれて助かったわ、と言うと、これから非番だからかまわないよ、と言っていた。
いまだにボロ車は直っておらず、帰国の日にはアパートから空港まではタクシーで行くから、と言ったのだが、やはり見送ると言うP。友達から車を借りるらしい。いや、ありがたいよ、つくづく。ありがたいのはありがたいのだが、スポーツカーなんて、本当に実用性もない、維持費ばっかりかかるどうしようもないやつ、というのがよくわかった。