一般歯科で、古い詰め物を仕替えてもらった。衛生士のAさんに、と思って、フィンランドからキシリトールのガム一袋とグミ(ムーミン柄)をお土産に持って帰っていたので、治療の前に渡した。とても喜んでくれ、「ちょっと見せてきますね」と診察室の奥に入っていく彼女。こんなスモールギフトでそんなに喜んでもらっちゃ恥ずかしい。
Aさんはそのままそのお土産を私のカルテの横に置いておいたらしく、院長先生が「お、本場フィンランドキシリトールか」と手にとって見始めた。「フィンランドは歯に関しては世界一ですからね」と先生。へー、世界一ってすごいじゃん。
「日本のキシリトール入りのものは、気をつけないと砂糖が入ってることがあるんでねえ」と先生はガムのパッケージを見ながら言う。んまあ、そんな詐欺が。Aさんによると、飴にときどきあるらしい。キシリトール配合だが水飴を使っているとか。気をつけねば。
右下7番の初期う蝕は、レントゲンを撮った結果、経過観察を継続することに決定。前歯の古い詰め物が着色していたので、白いものに治してくれた。少し削るということで、上の歯茎に麻酔。うう、久しぶりに痛かったよ。一瞬だけどさ。右の上1番が少ししみるので、permanent solutionではないが、Aさんがコーティング剤を塗ってくれた。どうやらヒビが入っているらしい。「長く使っているとこうなることがあります」って、それは「老化」ってことでしょうか。今までそのヒビには気付かなかったが、鏡で見たら、確かにピキッと縦に線が入っている。いつのまに。
Aさんに、食後すぐの歯磨きは歯によくないという話について聞いてみた。最近は日本でもそう言うようになったと言う。彼女は、食後にキシリトールのガムを噛むか、緑茶を飲むらしい。ガムを噛めば唾液がたくさん出るし、そうすると自然に歯も洗われるからとか。緑茶にはフッ素が含まれているんだってね、初めて知った。
お土産ありがとうございました、とまたAさんにお礼を言われ、支払いのために受付に行くと、受付の人までが、「お土産をいただいたそうで、どうもありがとうございました。」と笑顔で言うのである。あれ、医院全体へのお土産って解釈されたんでしょうか。恥ずかしすぎます。各自ガム一粒、グミはじゃんけんでってか。個人が患者から何かをもらっちゃだめってことになっているんだろうか、この医院では。あの量を見れば、いくらなんでもAさん一人のために買ってきたってわかると思うんだ。あんなにお礼を言われて、恐縮したわ。

と、この話をPにメールで伝えた。私のcubicleの棚のところに置いてあったガムを院長先生が手にとって、と書いたところ、"private roomではないのか?"とまじで驚いていた。そうか、やっぱり世界一の国では、当然診察室は個室なのね。うちのクリニックは、治療はオープンスペースにcubicleが並んだところで行い、クリーニングと検診だけの場合は別のエリアにある「部屋」で行うが、ドアはないので、隣の「部屋」の声はよく通る。だが、歯医者で個室にとおされた経験がないので、ここは十分privateだと思っていたくらいである。だって、矯正歯科はcubicleさえなく、診療台が並んでるだけだからね。それこそ隣が何やってるか丸聞こえだし、見ようと思えば見えるし(大抵見る人はいないけどさ)。アメリカで行ってたキャンパス内の歯医者でも個室じゃなかったが、ほかに診療台があった記憶もないので、広いオープンスペースに患者一人ってことだったのかな。うろ覚え。アメリカ映画で見ると、個室で治療してるよね。