Kaye2006-11-27

P来る。ryokan experienceをしてみたいというので、宮島の錦水館にて温泉・昼食の日帰りプランを予約。11時半から14時までで、要するにチェックアウトからチェックインまでの空いた時間を有効利用ということなのだろう。考えたね。
部屋の指定はできなかったのだが、運良く海側。10畳の和室プラス3畳くらいの窓際のスペースにソファが置いてあり、座って海を見ることができる。
先にお風呂をということで、浴衣に着替える。「お客様には特大がよろしいかと」と係員の人がPに新しく浴衣を渡す。「でも短いかもしれませんが」と困ったように笑う。実際、短いが仕方あるまい。私も旅館の経験はなく、「浴衣を着て温泉」なんてザ・日本というイベントは初めてである。暖簾をくぐって私は女風呂へ。一番乗りであり、他にお客さんはいない。なんという開放感。大きなお風呂にたった一人。地下にある大浴場で、外も雨だったし、電気がついていながらもなんとなく薄暗い感じがしたが、私は煌々と明るいところより暗いところの方が好みなので、落ち着いて入浴できた。一人なのをいいことに、ちょっと泳いでしまいました。もうすぐ40歳。
化粧品やヘアトリートメントなどもすべて洗面室にそろえてあり、何も持っていく必要はなかった。Pは、男風呂に置いてあった資生堂ヘアトニックを使ってみた、と言い、日本の中年サラリーマンの臭いをぷんぷんさせていた。あれだったのね、電車の中でただようリーマン臭は。
部屋へ戻ると、豪華なお昼ご飯が座敷に並んでいた。給仕の人が次々といろんなものを運んできて、まだあるの、えー、まだあるの、と驚くくらいの量であった。12品目あるコースを頼んだのだが、9品目のコースでも十分だった。味は、うーん、正直よくわからない。見た目は美しいし、豪華だし、決してまずくはないのだが、なんつーか、以前メリケンが言っていた、日本食は80%がpresentationで、20%が味、という台詞を思い出したりして。これがryokan experienceよね、と思った。
14時には部屋を出なければならないので、ちょっと忙しい感はある。食後はお腹一杯だし、もうちょっとぼーっと海を眺める時間が欲しかった。お風呂入ってるしね。
ま、all in all, I enjoyed it. Pも喜んでいたし、良かった。

その後は、厳島神社を見学し、紅葉谷を歩いて紅葉を楽しみ、ロープウェイで弥山の上まで行った。雨が降っていたのだが、それはそれでまた風情があって良かった。紅葉が美しかった。雲と霧で視界は悪く、瀬戸内海を見ることはできなかったのは残念。
今までも海外からのゲストをロープウェイで上まで連れて行ったことがあるのだが、今回はそこからさらに徒歩でお寺の本堂へ。そんな道があるとは知らなかったのよね。この間テレビでたまたま宮島への旅の番組をやっていて知った次第。この道のりが、せっかくお風呂に入ったのに汗びっしょりになってどうすんの、というくらいつらいハイキングだった。お互い革靴だったし、なんといっても運動不足だし。たかだか片道20分くらいなのだが、下り坂あり、上り坂ありで、結構足腰にきた。お寺でおみくじやお守りを売っているところに、お茶やラムネなども売っていたのは、やはり登ってきた人たちの水分補給のためだろう。お茶が300円もするのにはびっくりしましたけど。

ほぼ一日、宮島で過ごしたことになるが、なかなか充実していた。家から40分くらいで世界遺産のあるところに来られるなんてすごいじゃないか、とPも感心していた。住んでると鈍感になるが、確かにそうよね。宮島、美しゅうございました。