今年はきちんとしたコートが欲しいと思っていた。今も欲しいが、もう探すのが面倒になった。
週末、特に買うつもりはなくて、繁華街に出たついでにデパートに寄った。いいかなと思って手にとってみるとやたら重かったり、手触りがよくなかったり。店員は、「手で持つと重く感じますが、肩で着ますからそれほどでも」と言うが、ほんっとうにそうですか。肩で着るからこそ、肩こりになるのよね。前買ったウールのロングコートがそうだったもの。
フィンランドでも、Stockmannのセールのときにコート売り場をみてみたが、置いてあったウールのコートは全部、体力が要りそうな重さだった。
コートといえばバーバリーかと思い、寄ってみた。羽織ってみてください、と言われたので、羽織らせてもらった。かるーい。嘘のように軽い。マイナス10度くらいになるところでも大丈夫なコートが欲しい、と言うと、カシミヤ混だし、大丈夫だと思うとのこと。手触りも柔らかい。色々試着させてもらったのだが、どうも欲しいという気が起こらない。お値段は20万前後。私としては、20万も出すのであれば、試着した姿を鏡で見た途端、「やだー、I look great in this coatじゃない」と言えるくらい気に入ったものを買いたい。こんな値段のコートを「まあ、物は良いし、長く切れるだろうし」という理由だけでは買いたくない。I want to be in love with the coat. 試着したコートがすべて素適なのは事実。でも、なーんだかピンとこなかった。こういう高価なものは似合わないってことかっ。感じよく対応してくれた店員さんには悪かったが、また来ます、と店を出た。
次にMaxMaraにふらっと入った。休憩直後だったのか、強烈にタバコ臭い店員さんが応対してくれた。感じのいい人だったけど、ちょっと一歩後退してしまうくらい臭かった。飾ってあったロングコートを見ていると、「バスローブのような感じで前があわせてある」との説明で、確かにバスローブのようである。というか、私にはバスローブに見えた。白っぽかったから特に。「着てみると違う感じ」と言い(売る側の常套句か)、羽織らせてくれた。うーん、バスローブだ。それに、バーバリーの軽いコートを着た後では、重さが気になった。これも19万くらいの値札がついていたが、frankly I did not see why anybody should pay that much money for this coat. The texture was rough, too. カタログまで出してきて、こんなのもある、こんな感じにも着られる、と丁寧に教えてくれたが、私の好みではなかったので、お礼を言って店を出た。
こういうふうに丁寧かつ感じのよい店員だと、色々出してもらったのに買わなくてごめんね、と相手に悪いという気分になり、余計に疲れる。あー、通販は楽でいい、と思ったりするわけである。かといって、着心地、手触り、重さのわからないコートを通販で買う勇気はない。通販生活のカタログにも、質のよさそうなものは載っていたが、届いて気に入らなかったら返品が面倒などと思うと、申し込む気にならない。
冬に着るものがないわけじゃないし、今年はもうコート探しはやめた。