Hypercorrection: 【言】 過剰訂正, 直しすぎ《正用法[形]を意識しすぎてかえって誤った言語形式を用いること》
と、研究社リーダーズ+プラスV2にある。私は最近この言葉を知った。なるほどー、と頷いた。そういえば、エステー・ローダーの「テー」の部分について、以前書いたことがある。あれも直しすぎってことなのか。

アメリカで高校生をやっていたとき、別の日本人留学生に「she」を「スィー」と発音する女子がいた。彼女は、Blainという名の同じクラスのメリケンのことを、「Brain」と呼んでいた。この「hypercorrection」と言う言葉を知り、まさにあの女子はハイパーコレクターだったのか、と腑に落ちた。

hypercorrectionとはちと違うが、カタカナでしか見たことがない英語名をどう発音するのか、と悩んだことがある。メリケンとの会話の途中で、私はブルック・シールズと言いたかったのだが、英語で発音されているのを聞いたこともなければ、書いてあるのも見たことが無く、一瞬だまってしまったことがある。ブルックは小川のbrookかな、でも名前としてほかにスペルがあるのかもしれない、と悩み、シールズはsealsかshieldsか、一体どういえばいいんだろう、と悩んだのだ。確か、もごもごとbrook sealsと言ったと思う。shieldsを選ばず、日本語にないスィーのsealsを選んだのは、hypercorrectionっぽいことをしたってことかな。

関西特急はるかの車内放送の英語版は、今は高い裏声で話す女性の声で録音されたものが流れている。彼女の名前は知らないが、以前はテレビでインタビュアーなどもしていた。日英両方話せる人である。見た目は白人のようなのだが、何人かは知らない。アメリカ英語を話す人である。で、この録音テープが使用される以前、日本人女性の車掌が英語で放送をしていた。私が乗ったときたまたま彼女がしていたのか、いつも彼女がしていたのかは知らない。録音ではなく、日本語放送をした直後に英語で言っていた。この車掌、ほぼすべての単語にRが入る。どうやったらそういう発音が出来るのか、どうしてわざわざ日本人にとって難しい発音にするのか、と不思議であった。例えば、"Thank you"は、"Thern kyur"と言う響きである。「サンキュー」であれば、特に何も思わなかった。「センキュー」でも思わなかった。この二つなら通じると思う。が、このthern kyurは通じていたのか謎だ。これは、ウルトラスーパーハイパーコレクションの例か。