東京で、夜9時半くらいに地下鉄の駅の階段を上って地上に出ようとしていたときのこと。上からわらわらと会社帰りの人たちが降りてきた。「こんな遅い時間なのに、今帰ろうとしている人がこんなにいる」とP。いや、日本じゃそれほどめずらしい光景ではないよ、と説明するが、こんな遅くまで会社にいて、明日もまた8時に出勤するなんて、疲れてしまって効率よく仕事ができるわけがない、と力説。自分もそういう仕事の仕方をしたことがあるが、結局集中できずに能率が悪くなるだけだと言う。まあねえ。本当に本当に忙しくて帰れない人もいるが、だーらだらと単に会社に長時間いるだけ、という人がいないわけでもないのよね。がっと集中して8時間労働して、さっと帰宅して夜は休む、という生活が人間らしいことに誰も異議は唱えまい。フィンランドでは残業代が高いので会社としても残業してほしくないらしいが、日本も今度5割にあげるとか聞いたな。
ああ、思い出した、10年以上前に会社で耳にした理解不能な会話。
女「この会社って、男の人はさっさと帰って、女の子が残業するんですよね」
女の上司の男「男は女より有能だからね」
どっちもどっちな上司と部下。お似合いだったわ。