ダクトテープで補強するか

Pは車が大好きであるが、ただ単に新しい車に興味があるとか、早ければいいとか、格好がよければいいというような車好きではない。87年モデルの見た目もぼっろい車を乗り続け、壊れれば自分で修理し、とにかくいじるのが好きである。それはそれでよい。その車が安全である限り。
今回こっちに来てから、朝Pが会社へでかけ、「The car stopped」という電話をフリーウェイの路肩に止めた車から2、3回受けた。だが、毎回しばらくしたらまたエンジンがかかったらしく、「なんだか知らないが動いたので様子を見る」と言っていた。そして、先週私が助手席に乗っているとき、「ボンッ」とすさまじい音がした後、いきなり後ろから聞こえてくる排気音が激しく大きくなるということがあった。「あら、backfireしたか」とPは平然としているが、私は怖いしうるさいしで不機嫌。大声を出さないと会話ができないくらいやかましい。「土曜日に部品を買って日曜にに修理する」と楽しげに言うP.
そして、土曜日Mちゃんを乗馬レッスンに連れて行った後で自動車部品店へ。やれcentral control unitだ、ついでにワイパーも買うだ、オイルはなんだったか車に空の容器があるからチェックしてきてくれだの私も使われ、色々部品を買った。なにしろ古い車なので、店員も調べまくって部品を探すという様子であった。あれもこれも、と頼んでいると、店員が笑っていた。あとで聞くと、「なんか色々壊れたみたいっすね」とコメントしたらしい。
だが、レッスンが終わる頃Mちゃんをピックアップしにいったものの、「もうひとつ部品を買うのを忘れた」とまたいやがる私たちをつれて部品店へUターン。「インターネットで買えないの、その部品?あたしは車から降りないから」とMちゃんも不機嫌である。その気持ちはよーーくわかった。
そして無事必要な部品を手に入れたPは、うきうきと「修理をするからKayも来てね」と借りているガレージに今日連れて行かれた。私は本を持参。はなから手伝う気もないし、Pも手伝ってほしいわけではない。ただcompanyがほしいというだけらしい。
で、色々中をいじって部品を変え、大きな音をたてながら爆発して変形したexhaust pipeをhammerし、「できたよ」とうれしげに見せたのが写真。ダクトテープで補強してあるのである。「耐熱テープがなかったから」とおかしそうに言うが、「それ、燃えるんじゃないの」と不安げに聞く私に、「まあ、こげるかもしれないけど」と笑う。
「帰りはエンジンの調子を見るために飛ばす」とまたウキウキと運転席に乗るP。いやだなあ、大体速度計壊れてるのに飛ばすもなにもわからないじゃん、と思うが、回転計を見ればOKだと「おーし、4500rpmまで行こうか」と嬉しげにアクセルを踏み込む。いくら飛ばしても速度計はいつもゼロ、燃料計は満タンにした直後でもEである。

運転中の写真。回転計は動いている。
で、車は実際ちゃんと走った。爆音もない。なめらかな走り。すごいじゃん。しかし、運転しながらPは言う。"Do you smell something burning?" やめてよ。実際ちょっと匂うような気がしてたのでなおさら。途中、ビデオ店に寄るために止め、車の後ろに回ってダクトテープの様子を見る。

思ったより早くだめになったな、と剥がれたテープを取るP。20分しか走ってないじゃん。
家にたどり着いても、自慢げに「あと2、3年は走れる」と言う。ま、がんばってくれ。